二人はその日、朝方まで交わりあった。そして二人で泊まりで出かける日まで会わないように日々を過ごした。
そしていよいよ出かける日がやって来た。行き先は海が見える旅館だった。電車で宿に着くと、チェックインを済ませ、部屋に入った。
「夕食は何時ごろになさいます?」
仲居から聞かされ、夜18時にとることにした。
「まだ時間あるから、海でも散歩してみない?」
「いいですね、行きましょう!」
二人は浜辺を歩きながら、色々話をした。二人が会うのは二ヶ月ぶりだった。時間が空いたせいか、健太は道中貴子の手を握ることができないくらい距離を置いていた。早くひとつになりたいと思いながら、なかなか言い出せずにいた。浜辺には冬ということもあります、人はほとんどいなかった。風も吹きすさぶ中、体も冷えてきた。健太はそろそろ戻ろうか、と切りだそうとしたとき、貴子が手を握ってきた。
「寒いね、お風呂入ろっか?」
「そうですね、行きましょう!」
そう言いながら宿に向かうと、健太は手を繋がれたことで、今まで抑えていた感情を抑えることができなくなり、その場で貴子を抱きしめた。しばらく二人は無言で密着していたが、ほどなくしてキスをした。濃厚なキスを二人は誰もいない浜辺で交わした。
「んっ、、、ん、」
キスをしながら貴子の頬には一筋の涙がこぼれ落ちた。
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