淫欲のスポーツジム 優美と雅之 4
彼に告白された。
いや、正確には告白させたのかもしれません。
私とは別の私が勝手に。
先程から雨が降って来ました。
彼は真っ直ぐ前を見ています。
私は通りすがりのコンビニに車を寄せて、広い駐車場の端に止めました。
「どうする? これから・・」
相川「もう遅いですから、・・帰ります」
「うん、 分かった」
私は車を走らせる事が出来なくなりました。
相川「田中さん?」
私は前を向いたままです。
相川「どうかしましたか?」
動けません。
このまま彼と、ただ離れたくなかっただけです。
「動けないの」
相川「えっ?」
「動きたくない!」
相川「動けないって?」
「どうにかして」
相川「・・・・・」
「この状態を、どうにかしたいの!」
相川「えっ、あ、 ど、うすれば・・」
すると、もう一人の私が答えます。
「相川くん、・・キスして!」
相川「キス!!」
「うんっ! お願い!」
私は元の私では無くなって、ただ前を向いていました。
そして、暫く時間が経って私がうつむき掛けた瞬間、彼の顔が私の目の前に来て私と唇を重ねました。
一瞬の出来事でした。
彼は私から離れて
相川「ごめんなさい」
と、一言だけ言いました。
私は暫くしてから
「こっちこそ、ごめんね」
と言いました。
私は黙って車を走らせて、彼を家の傍まで送ったのです。
数週間が過ぎた後のいつものジム。
今日も彼と楽しくレッスンをしています。
彼とは何も変わらない。
でも、それはジムの中での事。
私達は前よりも早くレッスンを切り上げて、その分の時間を使って短いデートを重ねています。
「ねえ、雅之くん」
「今度、他のジムに遠征に行かない?」
雅之「ええ、いいですよ」
「優美さんに全部、任せますから」
私達は次の日曜日に、駅三つ程離れた場所にある、違う会社のジムへ行くことを決めた。
「雅之くんと私、周りからどんな風に見られるのかなぁ?」
雅之「う~ん、やっぱり親子かな?」
「はあ?」
「もう、せめて姉と弟、位にしてよ!」
な~んて。
上手くやってます。
でも、一つ不満が有るとすれば、あれ以来彼から一度もキスをして貰えない事。
最近は、少しづつ露出の多い服を選んでいるのに気が付いていない様です。
それじゃぁと、当日はもっと派手な服を選ぼうと思い付きました。
当日。
日曜日の朝が来た。
夫はゴルフコンペで早朝に出かけました。
私はこの日の為のファッションに身を包みます。
上は胸の谷間で大きくV字に開いた白のシャツと長い丈のネイビーカーディガン。
下は膝上20センチのふわりとしたオレンジのスカートです。
私は車に乗って彼を迎えに行きます。
ジム近くの駅前で彼を拾って目的地へ。
車を駐車場に入れて、中に入ります。
雅之「今日の田中さん、何だかカッコイイですね」
いや~ん、彼が気付いてくれた。
雅之「なんか、モデルさんみたい?」
あ、いや、それは褒め過ぎでしょ!
雅之「ウチの学校にはこんな綺麗な子はいないです!」
も~う、褒め上手なんだから!
私と彼は知り合いの居ないジムで思いっきりレッスンを楽しみました。
雅之「ここは、結構、レベル高いですね」
うんうん、彼も良く分かってる。
私も必死になって、周りに付いて行く。
彼も楽しそうです。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎて行きます。
レッスンも終わり、私は決心しました。
今日、彼に最後まで迫ってみようと。
そんな風に黒い私がそそのかすのです。
私は、いつも宮本さんと使うカフェに彼を誘います。
雅之「ここ、良い雰囲気ですね!」
彼が褒めてくれると、何でも嬉しい。
私はドキドキしながら、でも少し調子に乗って彼に言いました。
「ねえ、雅之くん」
「この後、ちょっと休んで行かない?」
雅之「えっ?休むって何処で?」
「何処って、あの、適当なとこ」
雅之「いや、もう充分、体力も回復しましたから!」
「あっ、いや、体力じゃなくてね」
雅之「はい?」
「え~と、その、何て云うか」
雅之「ああ!、田中さん、疲れたでしょう」
「僕、歩いて帰りますから!」
「いや歩いて帰られると困るんだけれども」
雅之「へ~きです。そんなに遠くじゃないんで」
「・・・・・」
雅之「あの、どうしました?」
忘れていました。
デートして気付いたこと。
この子、結構、天然でした。
雅之「田中さん?」
駄目だこりゃって感じです。
もうストレートに言うしかない。
私は意を決して口を開きました。
「私とエッチ、したくない?」
勢いで言っちゃいました。
彼は目が点になって、固まってしまいました。
つづきます
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