淫欲のスポーツジム class3
インストラクター 宮本絵梨の恋
私が彼に会えるクラスは、週一回のみです。
一度、誘いを断った彼に、どんな言葉を掛ければいいんだろう?
だから余計に緊張してしまう。
はぁ~、私ったら、なに乙女チックな事、やってんだろ。
たまに昔の事を思い出します。
これでも学生時代はモテたんです。
告白だって、数限りなくされたし。
でも私は、陸上にのめり込んでた。
記録が伸びる度に、もうちょっと行けるって思ってた。
でも伸び代には限界が有った。
私が苦労して辿り着いた場所に、簡単に登って来る人が居る。
私は無理をして怪我をした。
怪我を庇うと、更に次の怪我が襲ってくる。
私は、その時、努力だけでは賄いきれないものが有る事を学んだ。
でも最後に一つだけ、恩師に教えて貰った事が有る。
努力の仕方が大事だと。
それだけが私の競技経験の宝です。
だから今回の事も、しっかりと考えなければ。
格好を付けている場合じゃ無いですよね。
今日は彼に会える日。
彼に正面からぶつかって行こう。
そう決心したまでは良かったんだけど駄目でした。
彼に会うと、何だか少女時代に戻っちゃうんです。
私が私で無い様な気がします。
そんな時、彼女が助け舟を出してくれました。
あの、田中さんです。
彼女、
ワザと、彼を議論に持ち込ませて私に意見を求めて来たんです。
優美「先生、どう思います?」
「笹川さんの言う事は極論過ぎません?」
絵梨「えっ、ええ、そうですね」
笹川「何言ってるんですか?」
「僕は、そもそも論を言ってるんです!」
絵梨「はっ、はあ」
優美「極論です!」
笹川「そもそも論!!」
絵梨「・・・・・」
優美、笹川「ねえっ!!」(私に向かって)
絵梨「うるさ~い!!」
二人は私の一括で黙っちゃいました。
それを機会に、彼とまた話をする様になったんです。
もう、彼女には感謝をいくらしても、し切れません。
彼は意外と古風でした。
いわゆる硬派ってやつ。
ジムで色々と人にちょっかいを出していたのは、少しづつ自分を変える為だったそうです。
だから私に断られた時は本当にショックだったそうで、一度は、もうジム通いは辞めようとまで思ったそうです。
それから私たちは少しづつ、外で会う様になりました。
彼は車が趣味で、今度ドライブに連れて行ってくれるそうです。
私は田中さんに再び会った機会に、彼女に礼を言いました。
絵梨「あの時は本当に助かった」
「貴女にはもう、感謝するしかない!」
「本当にありがとう」
優美「私こそ、宮本さんに何度助けて貰ったか」
「こちらこそありがとう!」
持つべきものは良い友とはよく言ったものです。
私は本当に嬉しかった。
そして今日は待ちに待った彼とのドライブの日です。
彼は私の家まで迎えに来てくれました。
笹川「おはよう、絵梨さん」
何と、彼が乗って来た車はポルシェでした。
彼の仕事は個人の自動車整備ガレージの経営と実作業だそうです。
笹川「ああ、これね、これは知り合いの業者が並行で入れた物で」
「結構、安いんですよ」
絵梨「はぁ」
笹川「最近、空冷のヤツが高くて、それにつられて・・・」
私には、もうチンプンカンプンです。
何だか、珍しいタイプだとかで、私にはよく分かりません。
そんな楽しい一日は、あっという間に過ぎてしまいます。
彼は私の家まで送ってくれました。
私はもう数時間前からドキドキしています。
彼から誘われたらどうしよう?
そればかりです。
暫くして車は私の家の前に着きました。
すると彼は
笹川「それじゃ!」
と言って帰ろうとしています。
私は彼を引き止めます。
絵梨「あの、帰っちゃうんですか?」
笹川「ええ!これから明日の準備です」
絵梨「それ、今直ぐじゃないと駄目なんですか?」
笹川「あっ、いや、それ程急いでいる訳では」
絵梨「お茶でも飲んで行きません?」
笹川「ああ、さっき飲んだんで!」
あの~、言ってる意味が違うんですけど!
絵梨「今日一日、疲れたでしょうし」
笹川「いや~、これ位どうって事ないですよ!」
あんた、天然か?
絵梨「もう、遅いですから」
笹川「ああ、そうそう、サッカーのAマッチが始まっちゃうな」
私よりサッカーかいっ!!
私はキレま、あ、いや、我を忘れました。
絵梨「女が誘ってんの、・・・・・わかりません?」
彼の顔の表情は固まってしまいました。
私は、失敗したかな~と、少し後悔しました。
つづきます
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