淫欲のスポーツジム 優美と雅之 2
彼と初めて会話をした日。
あの日以来、私は少しづつ自分を変えていきました。
ジムに出入りし始めた頃は割と緩めのウエアを着ていたのです。
でも最近は身体のラインが出る様なピッタリとした物を選んでいます。
上はスポーツブラにシースルーのシャツ。
下に履くのはコンプレッション系のタイツにショートパンツなどです。
とにかく、彼に見て貰いたい一心です。
でも、見られるのは彼だけでは無くて、一緒に同性も付いて来ます。
私「こんばんは、今日もよろしくね」
「ええ、ど~も~」
「ところで田中さん、最近ウエアを変えたんじゃない?」
「な~に~、やる気になっちゃって」
私「そんなぁ、 前のがもう、古くなったんで」
「ちょっと気分転換にって」
言い訳も、もう大変です。
その理由は、何と云ってもイントラの山中先生にあります。
彼はジムで一番の人気者。
若くて優しいんです。
その上イケメンですから皆の競争が激しくて。
まあ、一時は私も熱を上げていましたが、今ではもう、どうでもいい感じです。
ですから、私はなるべく先生に近づかない様にしています。
周りの眼が厳しいですから。
でもその代わり、相川くんには近づき易い。
良し悪しですね。
ジムには女性の先生もいます。
エアロのイントラをしている宮本さん。
彼女は同い年で良く話が合って頼れる人です。
「ねえ、田中さん、最近痩せた?」
私「ええ、少し、色々食事とか考えてね!」
「ふ~ん、なるほどね」
「でも、私よりダイエットされちゃうと立場が無いなあ」
なんて。
二人で笑っちゃった。
でも、私も努力をしているんです。
彼の為に。
彼に気に入られる為に。
そんな話をしていると彼、相川くんが少し遅れてやって来ました。
「こんばんは!」
「ちょっと、遅くなったんだね」
相川「はい、電車が遅れて」
「間に合わないかと思いました」
「まあ、今日一日位参加出来なくても、また来ればね!」
相川「でも、田中さんに会えて安心しました」
え?
ええっ?
今、この子なんて言った?
相川「だって、僕以上に下手な人、滅多に居ませんから!」
なっ、何、そういう意味?
もう、びっくりしたぁ~。
そうそう、彼は最近私に軽口を言う様になった。
は~、喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
でも、嬉しかった。
彼の中に確実に私と云う存在がある。
それだけで、私も安心した。
だけど最近ちょっと悩みがある。
同じレッスンのクラスでよく会うサラリーマン風の人に声を掛けられる様になったんです。
そういえば最近よく言われる。
昔のイメージに近くなったねって。
女子大の時は今一つでしたが、これでも私はJK時代まではモテたんです。
男の子からも、よく告白されました。
自慢じゃありませんがスタイルだって悪くはないと思います。
背も160と普通ですし、まあ、ちょっと胸は小さいかな。
でも、一応Bですよ。
顔は深津〇里から額を小さくした感じなんてよく言われました。
うわ~、その彼がやって来た。
何とか、上手くかわせないかな。
「こんばんは!どう? 最近コリオも上手くこなせてるよね!」
彼は教え魔さんです。
聞いてない事まで教えてくれる。
有り難迷惑なんだけどなぁ~。
私は適当に相槌を打ってレッスンに入りました。
暫くは楽しく身体を動かしていたのですが、何故か、相川くんの様子がおかしい。
私と視線が合いません。
レッスン合間の給水タイムでも私の事を無視して来ます。
レッスンが終わると彼は、さっさとジムエリアから出て行ってしまいました。
私は不安になって彼の後を追います。
そしてやっとの事で彼をジムの入口で捕まえました。
「どうしたの?」
「相川くん、気分でも悪いの?」
彼は黙ってお辞儀をしただけで、駐車場の方へ行ってしまいました。
私は更に追いかけます。
彼は自転車に乗ろうとしていました。
「ねえ?どうしたの?」
「私、何かした?」
相川「あの、僕はまだ子供ですから!」
と、怒った様な声で彼は私に言いました。
そして、全力で自転車を漕いで帰って行ったのです。
私は落ち込みました。
何で彼はあんな言葉を。
帰りの車の中で私は考えました。
ひょっとして、彼は妬いてくれたの?
私の行動で?
私の為に?
私は彼がジムに来なくなったらどうしようと不安になりました。
それだけは絶対にあって欲しくないと願わずには居られませんでした。
つづきます
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