ツーショットダイヤルサイト、ナイトワールド。
季実子とアキラが連絡を取るのはこのサイトだけとしていた。季実子は夫の圭介から、アキラは妻の章子から離れ、ひとりの男と女になり快楽を求めるため、お互いの素性はなるべく明かさない暗黙の約束としていた。
季実子は午後、3回目のアクセスをした。
アキラからの伝言メッセージがない確認した。アキラからのメッセージはなかった。
(アキラさん、セックスに、少し躊躇いが出たのかしら)季実子は思った。
昼休みアキラは何度か季実子へのメッセージを出そうかと思った。(いや、まだ待って。季実子のセックスへの渇望が出るのを待とう)アキラは思い仕事が終わるまで待つことにした。
アキラは残業だった。
夜9時、駅前で一人居酒屋で飲みながらスマホを取った。ナイトワールドにアクセスすると[水曜日にワインをボトルで注文]とメッセージを残した。
10分程スマホで遊び待つと季実子からの返事が入っていた。(こんなに返事が早いなんて、季実子のやつ相当抱かれたがっているな)アキラはニヤリと笑った。
(ああ、やっとアキラさんから、えっ)
季実子は8回目のナイトワールドへのアクセスでアキラのメッセージを見つけた。
「えっ、水曜日、、」
水曜日は夫の圭介の家へ行く予定の日だった。
迷いながらも季実子は[はい水曜日にワインをお届けします]と約束の返事を残した。
季実子はそのあと夫の圭介に電話した。
「もしもしあなた、すみません、お風呂の調子が悪くて水曜日に修理に来てもらうの」
「なんだ水曜日駄目なのか」
「ごめんなさい、木曜日に行きます」
「判った、じゃあ木曜日ぬ」
何も知らない圭介は電話を切った。(ああ、私、アキラさんに抱かれるために夫に嘘をついてしまった)季実子は後ろめたい気持ちになりながら、身体は興奮していた。
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