熟事務員 Ⅱ ②
悦子
「芳恵さんは ここに座ってぇ。」
自分のビールや取り皿をどかしていた。
芳恵
「そんなぁ、悪いワ。」
悦子
「いいから いいから、工藤さんの隣 譲ってあげる。」
「はい。どうぞ。」
芳恵
「はい。これ。味は分からないけど。」
と、差し出した。ワインの様だ。
悦子
「ありがとう。早速 頂く?。」
「はい。開けて。」
と、俺に渡した。
悦子
「朱美ちゃん、ゴメン。グラスと開けるヤツお願い。」
「イス、取ってくるから。」
「ほら!、高橋。(朱美ちゃんと)一緒に行く!。酔っぱらい!。」
真理子
「だってぇ、お酒呑んでるですよ、酔っぱらうじゃないですかぁ。」
悦子
「もお!。この娘は。」
食事会が始まってから、色々とバタバタしていたが、落ち着きを取り戻した時には、何とか動物園が始まっていた。
高橋さんは 相変わらず うるさかったが、5人が揃って
暫し歓談となるハズだったのに、池沢さんから 質問攻撃をくらった。
仕事の事。
工藤晴男との関係。
女性の好み。
何か返すたびに、その答えに かぶせて聞いてくる。
〔4人の女性を少し整理してみます〕
暖年齢(日頃の会話などから推定)
高橋真理子 42
池沢芳恵 47
星野悦子 51
稲葉朱美 52
暖 はからずも、身長の低い順も ↑となった。
上から 153 158 163 164 だそうだ。
暖体型など(高橋、池沢は想像です。)
高橋 激という程ではないが そこそこぽっちゃり。
胸は デブのタマモノらしい。
池沢 普通にぽっちゃり。胸もお尻も4人の中では
一番大きいだろう。超強力な補正下着などを
着けて無い事を願おう。
俺には 一番 そそられる体型をしている。
星野 この人が おそらく世間で言うところの、
ぽっちゃり かも知れない。出産経験が無い
からだと 本人は言っていたが、年齢のわりに
そこそこ有る胸も垂れてもいないし、
張りもある方だと思う。
が、デブ専に近い程の ぽっちゃり好きの俺
には、いささか もの足りない。ついつい
池沢さんと見比べてしまう。
稲葉 ↑の様な理由から どぉしても 痩せて
見えてしまうし、本人がブラにこだわる程の
垂れ具合で、自称 ちっさい たれぱんだ
らしい。
ただ、稲葉さんも星野さんも、お肌のお手入れは、手を抜かないらしい。2とも ツルツル スベスベ している。
〔ザックリ と こんな感じです。〕
さて。
肉の皿も蟹の皿も 空になり、野菜を少し残す程度だった。
真理子
「何か足らなぁい。」
悦子
「ホンとに この娘は。だから…。」
真理子
「あぁー、今 だから太ってるんだ って言おうとしましたよね?。」
悦子
「うるさいわよ、酔っぱらい!。」
「俊くんも芳恵さんも足らないでしょ?、ピザでも取ろうか?。」
真理子
「賛成賛成!。メニュー どこですか?。」
星野さんは 困った表情で 黙って頭を抱えていた。
メニューを持って来て、高橋さんに選ばせ、星野さんが リビングの奥の方で 家電から注文していた。
悦子
「20:00過ぎちゃうかも。だって。」
「ゴメンね、俊くん。」
俺
「俺の事はいいですから 皆さんで どぉぞ。」
悦子
「じゃぁ、俊くんが居るうちに リハーサル会 決めちゃおっか?、いつに する?。」
芳恵
「ゴメンなさい。私 来週はちょっと(ムリ)。」
「2週つづけて(家)空けるとと、ウチのが うるさくて。」
朱美
「私も 再来週のが ありがたいワ。」
悦子
「酔っぱらい は?。」
真理子
「私は いつでもOKでぇす。」
「前もって教えてくだされば。」
「俊さんは?。」
「悦子さんが 俊くん って呼んでるから、私は 俊さん て呼ぼう。(稲葉さんを見て)良いでしょ?。」
朱美
「どぉぞぉ。」
真理子
「俊さんは何て呼んでんですか?、朱美さんのこと。」
「悦子さんの事は 悦ちゃん て呼んでましたよね?」
俺
(うるせーぞ!酔っぱらい!。と たしなめ たかっが いつ 聞いたのかが気になって 下手なことはいえない。で、)
「悦ちゃんと一緒。朱美ちゃん て呼んでるよ。」
真理子
「そっかぁ。ねぇねぇ、芳恵さんは?、何て呼ばれたいですか?。」
芳恵
「私ィ?。私は おい とか おまえ とか 呼び捨て、が良いかなぁ?。」
真理子
「それって ズルくないですかぁ?。」
「私も それが良いです。2人っきりの時には。」
悦子
「こら!酔っぱらい。」
「うるさいわよ。俊くん そろそろ帰る時間なんだから、困らせないの!。」
真理子
「はぁい。」
朱美
「あらっ、もぅ そんな時間?。気を付けて帰ってね 俊ちゃん。」
そんなふうに呼ばれた事が無かったので、この〔俊ちゃん。〕には ドキッとした。
稲葉さんの 対抗心の現れ だと直感した。
だが、それ以上に 高橋さんの〔悦ちゃん。〕には 肝を冷やした。どぉなる事かとヒヤヒヤした。
星野さんが 切らずに 放り投げた電話が繋がっていたのか?。
まさか 星野さんが そんなドジな事をするハズがない。
かまをかけて きたのかも しれない。
酔っぱらい。も、ただの フリ なんじゃないかと さえ 思った。全部 計算 なのかと。
また、嫌ぁ な 汗をかいた。
ただ、いずれにしても。
皆さん 勘違いも 甚だしいです、はい。
〔こんな程度の男、そこら辺に ゴロゴロ居んでしょうに。隣の芝生 そんなに 青々して見えるんですかねぇ?。気に入ってくれるのは 嬉しいですけど、絶対 皆さん おかしい ですって。〕
そんな事を思いながら、
「じゃあ、再来週ね。」
と、4人に見送られた。
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