陽介さんは話しを続けた。「それで彰君を出張扱いにしておくから頼んだよ?」と言った。その時秘書がお茶を持って入って来た。俺達は難しい話しをしている様に装い秘書が出て行くのを待った。「それでどこで奥様に会えばいいでしょうか?」「恵には葉山の別荘で会ってくれ」と言った。「葉山ですね?」「時間はこちらで指定するがいいか?」「はい…分かりました」「これで話しは終わりだ…で、これは葉山に行く為の足代にしてくれ」と封筒を出した。俺はそれを受け取り確認すると9万入っていた。「10万だと税金が掛かってしまうから…」と言った後、陽介さんは他に1万を渡した。「こんなに?」と言うと「それで精力を付けてくれ」と言って笑った。俺は有り難く受け取った。…俺が戻ると課長はまだオロオロしながら言った。「何だったんだ?」「社長直々で出張に行ってくれと…」「何故お前に?」「何か受注先が自分の知り合いらしくて名前が出たみたいで」と言うと課長は「そうかぁ」と安心した様子だった。
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