岩田と手打ち
龍と岩田は、岩田興産の社長室で、会談した。
「岩田社長、マキは、半年、預かる。」
「マスターから聞いたが、勝手なマネされても、困るんやわ。横取りは、ご法度やで…あの女は、苦労して、手にいれた上玉やで。」
「岩田社長、雅グループから融資した5億の利息支払は、どうした。配下の人間の中には、興産の運転資金に流用してるのでは、と言い出すヤツもいる。主目的の大阪難波の地あげ、どうなっとるんや。」
「順調やで・…」
「登記簿みたけど、一軒も買収出来てないやないか。」
「…」
「会長が、聞いたら…あんた、明日の朝、淀川に浮いているな。」
「龍、わかった。マキは、半年、預ける。だから、利息の支払は、その間、猶予してくれ。頼む。」
「女を抱いている暇が、あれば、仕事しろよ。腕力だけで、解決できんぞ。知恵をしぼって、仕事しな。今後、マキに絡むな。」
岩田と言えども、上部組織の龍にけんかは、出来ない。やれば、全ての資産を召しあげられる。
翌日、龍は、雅グループの創始者で、宗教法人 義王寺住職の法源に面会した。法源は、義王寺に気に入ったグループの風俗店から3人の女に、身の回りの世話をさせていた。
「お~お…龍やないか。よう来た。ゆっくりしいや。」
「法源様、元気そうで、なりより。」
脇から、修行僧が、恐れながら、口を開く。
「法源様、京奈銀行の会長様が、3時のお約束で、おまちかねです。龍様とは、手短に…」
「おのれは、今、なんと言ったんや。京奈銀行の会長と、龍、どちらが、大事かと言えば、龍やないか。適当に京奈銀行は、あしらっておけ。アホか…」
修行僧は、逃げるように部屋を飛び出ていった。
「すまんな、龍。最近、銀行の連中、雅グループの価値が、わかってきた証拠かな。しっこい位、来るんやわ。」
「住職、私が、対応します。京奈銀行は、その中でも、使い道が、ありますよ。日銭2億と聞けば、どこの銀行でも、目の色、変えます。」
「わかった。龍、頼むぜ。75歳にもなれば、女の扱いは、自信あるが、金融なんて、わからん。で、何の用で、来たんや。」
「ちょつと、いい女が、いまして。年増ですが、上玉です。」
「ほお~デリ嬢か?」
「素人です。主婦」
「あかんわ。素人に手をだしたら、トラブル、御免やわ。」
「話しはついてます。主婦で、旦那は、京奈銀行の融資課長です。」
「へ~え、おもしろそうやないか。」
「まず、その女の味見を願いたく。」
「あとの始末は、私が、責任もって。」
「そうか~明日、会食あるから、ホテル蹴上会館のスイートを予約しとくから、そこで、どうや。」
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