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引き続きUとのメールのやり取りを続ける。
私
「そういえば、以前○美さんの調教に呼んでもらったときに撮った画像、送ってなかったですね。動画から切り出したからヘタクソでブレブレですが送っておきます。」
○公園でUが○美を調教したときに隠れて撮った動画から、適当に切り出した画像4枚に、ある1枚の画像を加えて送信した。
ある1枚。
この画像を見るとUは私を軽視できなくなる。
この画像は撮影当時、それほど意図して撮ったものではなかった。
○美がUに調教を受けた当日、わが家に帰宅して玄関扉を開けている画像だ。
なんの変哲もない画像だが、キレ者のUなら、この画像に恐怖を覚えるはずだ。
送信後15分ほど間をあけてUから返信があった。
U
「この画像、5枚ともあの日撮った画像ですか?」
私
「あの日の画像です。ブレブレでヘタクソですよね。すみません。」
またしばらく間があく。
U
「SEさん怖いな...5枚目...」
さすがUだ。
画像の意図が瞬時に理解できたらしい。
そうだ。怖いはずだ。
なんの変哲もない5枚目の画像。
○美の顔は写っていない。
しかし、○美の服装は当日のものだ。
そして、○美の自宅玄関が写っている。
Uは○美の調教が終わったあと、私に後をつけられたと思ったはずだ。
そして、私がいつでも○美がどこの誰かなのかを知ることが出来る、もしくはすでに○美の素性を知られているかもしれないと感じたはずだ。
「○美の素性がネットで拡散されでもしたら大変なことになる。」そう感じただろう。
私がそんなことをするわけもないがUにとっては恐怖以外のなにものでもない。
これでUは私を無視したり、私の機嫌を損ねることはできなくなった。
Uは今疑心暗鬼になっているはずだ。
少しバカなフリをして安心させてやることにする。
私
「5枚目ですか?すみません、あの日、つい興奮してお二人について行ってしまいましたww でも、ストーカーじゃないですよww お二人の秘密を暴露するなんて絶対ないです!」
U
「いや~SEさん怖いな...ナニか要求とかしてこないですよねwww」
私
「あっ、ナイですナイですwwwそんな度胸はありませんwww」
U
「ホントですか?怖いな~www」
私
「ホントですよwww私はお二人を応援してますから!ww でも、なんか心配もしています。」
U
「心配ですか?どんなことです?旦那にバレたらとかですか?」
私
「いやいや、多分旦那さん、ニブいでしょ?KAZUさんがしくじることもないと思います。」
私
「実は、私が学生時代に付き合ってた女の子が、少しタイプは違うんですが、性癖が歪んでしまった子でした。」
(これは本当)
「その子、過去に闇を抱えてて、それが性癖が歪められてた要因のひとつになってたのではないかと思います。」
(これもそう感じていた。)
「結局その子とはお別れしたんですが、その数年後に不幸な結果になってしまいました。」
(これはウソ。某有名企業にお勤めの方と結婚して、現在はセレブな海外住まいで幸せ。)
「なにか、○美さんにもそんな雰囲気を感じてしまって...」
(全然感じられませんでした...私の目はフシアナです。)
以前Uが画像を投稿した際に書き込んでいた「○美の秘密」...
Uが○美に閲覧者とやりとりをさせるために作成した「みるく」の画像投稿スレで、私の
「初体験はいつですか?」という質問に、
「11歳です。」と答えてしまった○美。
私なりに過去の経験に照らして、○美の過去の秘密とは性犯罪の被害に遭ったとかいう類のものではないかと考えていた。
さらにUにメールを送る。
私
「私の経験からして、彼女の過去の闇をふたりだけで抱えるのは、かなり辛いことでした。誰にも相談することができず...」
「もし、私の勘が正しいなら、お二人も苦しんでるんではないかと...」
Uから返信があった。
U
「重い話ですよ?話せば長くなります。聞けますか?」
私
「はい。聞かせてもらえないでしょうか?」
U
「わかりました。SEさんには弱みを握られてることですしwww」
U
「○美に過去のことを打ち明けられたとき、話の中身は相当重いものだったんですが、生涯でオレにしか話したことないって言われました。」
「オレは○美の特別なんだと思うと、浮かれてしまいました。」
「ただ、時間が経つにつれて、自分ひとりで心に留めておくのが少し息苦しくなって、酒に酔った勢いで、オレと○美の関係を知っている一部の人間にさわりだけ話したこともありました。」
「でも、ダメですね。ヤツら興味本意で面白がるから。こっちの気持ちなんかわかってない。」
ここから3時間ほど、明日も仕事があるにも関わらず、私とUのメールのやりとりは続いた。
さすがにUは頭のいい男だった。
メールの文章は表現力が豊かで、過去、○美の身に何が起こったのか、まるで実際に見てきたかのように私の脳内に再現された。
「○美の過去の秘密」とは、吐き気のするような重い内容だった。
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