「初めまして」
季実子は君子へと変わっていた。
「初めまして、だね。もう知り合いのようだけど」
「なんだか緊張します」
「実は僕もだよ。まさか声を聞けるなんて」
よくある成りすましの感じはしない。本物の人妻、アキラは詐欺に合う不安を感じながらも、君子と会話を続けた。
「アキラさんの伝言を見つけた時は驚きました」
「君子さんとイメプレした時から、いつか気づいてくれて話すのが夢でした」
「やだ、夢だなんて」
「君子さんは、憧れの女性なんだよ」
(信じられない、こんな清楚な声の人妻がイメプレで悶えてるなんて)アキラは、また詐欺で騙されるのではないかと不安になった。
君子は、リビングのソファーに座り電話をしていた。
アキラが感じていたのと同じく、君子も怖がっていた。声や話し方からは、ごく普通の中年男性の印象だったが。
「アキラさんとお話しするの、少し恥ずかしいです。イメプレもしたことあるし」
「ああ、イメプレでは、君子は変態な人妻だからね」
「やだ、言わないで」
「ごめん、でもイメプレの君子、サイトでも人気があって常連の男性もいるし素敵だよ」
「人気だなんて」
やや沈黙があり、アキラが聞いた。
「ここに電話掛けてたなら、テレホンセックスもしてるのかな?」
「えっ、、、はい」
会話は少しずつ、色っぽくなっていた。
君子と、アキラは各々に危険な遊びだと感じながらも興奮していた。
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