ナイトワールドでは、出会い系のコーナーしかまだアクセスしていなかった。
君子は、文字だけのイメプレと違い、ツーショットダイアルは相手の男性をリアルに感じ、その分怖さから慎重に警戒もしていた。
寝室に置いた姿見に、下着姿の人妻が映っていた。
「季実子は君子。欲求不満の淫乱な人妻」
スマホの画面をスライドして、テレホンセックスのコーナーに合わせた。フリーダイアルの末尾は、1919イクイクと書いてあった。
(私も逝ってみたい)
君子はその番号をタップした。
ガイドアナウンスの後、待機状態の音楽が流れ、暫くするとまたガイドアナウンスにかわった。
「お相手と繋がりました」
「もしもし、今晩わ」
中年の男性の声。
「こんばんは」君子が答えると、男性との会話が始まった。姿見に映る自分自身が、季実子から君子に変わったように感じた。
「落ち着いた感じだね、人妻さんかな?」
「はい」
「今は家からかな、1人なの?」
「ええ、夫は単身赴任なので、いつも1人です」
夫への後ろめたさを感じながらも、君子はブラジャーの中で乳首が勃起して尖るのを感じた。触りもしていないのに反応しちゃう、いやらしい身体。
「よくここには電話するの?」
「いえ、出会い系は何度かあるけど、ここには初めてです」
男性の声のトーンが少し変わった。
「リードしてあげるよ。楽しめば大丈夫、逝きたいんだろ」
ああ、そう、私、逝きたいの。
君子はしだいに男性の声が、暗くこもった変態ぽい声になるのを感じながら言いなりになった。
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