第二部~そしてリアルへ
季実子は、ネットではハンネを「君子」としていた。
夜11時、リビングのソファーに座り、グラスに氷を入れたミネラルウォーターを一口飲んだ。
「飲み過ぎちゃったな」
君子は気だるく呟きスマホを見た。ツーショットダイアルのナイトワールドにアクセスして、男性3人と会話した後だった。ソファーの前にある電源を切った大型テレビのモニターに、自分自身の姿が暗い鏡となり映っていた。
君子は座ったまま両膝を立てると、スカートの裾をお腹まで落とした。むっちりとした艶かしい太股がテレビのモニターに映った。
(セックスしてないな)
君子は思いながら脚を開いた。
テレビのモニターに、M字開脚になった自分自身の姿が映っていた。
(いやらしい。こんなにいやらしい身体なのに)
君子はソファーから立ち、グラスを持って二階の寝室に向かった。
メイクを落とし、着ていたワンピースを脱ぐと下着姿のままベッドサイドに座った。
紫色の上下お揃いのランジェリー。
女子会で派手な下着を着ていく必要はないけど、君子は心のどこかで、男性に誘われホテルに入ってしまう想像をして派手な下着を着ていた。
求めている訳ではない、だけど、たぶん、抵抗はできない。抑えきれない欲情に、君子は悶々としながらまたついついスマホを持ち、ナイトワールドにアクセスした。
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