ようやく里香ちゃんと再会できたのは、最初に久々のメールをもらってから、2年以上たってからでした。結婚している世代の方はご存じのとおり、お盆休みや正月に帰省しても、既婚の、特に子供がいる同級生とはなかなか会えなかったりします。夏はお墓参り。お正月も、旦那さんの実家と奥さんの実家に代わる代わる行く人が大半で、家族持ちは休みも忙しいんだなあと、つくづく僕は感心したものです。
あれからも里香ちゃんとは、ご主人が留守で子供がぐっすり眠っている夜中に、時々長電話をしていました。
ふたりとも電話の最中に指を下着に入れるのがクセになってしまい、声をひそめてしゃべる互いのささやき声を耳元で聞くうちに興奮して、里香ちゃんの息が荒くなり、やがて僕が里香ちゃんに卑猥な言葉や淫らな妄想を語り、電話越しにふたりで一緒に果てるのが、常となっていたのです。
そして、ある夏のこと。
僕の会社の新しい方針で、夏休みをみんなでずらして交代でとる方式が始まり、独身の僕は自主的にお盆の間に出勤して、少し遅れて帰省する機会があったのです。
8月の終わり。
僕が帰省している短い期間中に、里香ちゃんのご主人が出張に出て、子供たちをご両親に預けられる機会が、一日だけとれたのです。
地元の喫茶店の入り口で、里香ちゃんは待っててくれました。
「山岡くん!」
一見お母さん体型の、ちょっと若づくりした知らないおばさん。
でも、くりっとした目とふっくらした唇、なによりも明るい笑顔は、まぎれもなく、大学1年生の少年だった僕を発情させ、あの夜にアパートの庭先で手で僕を射精まで導いてくれた、かわいらしい先輩の里香ちゃん、その人です。
「...里香ちゃん! こんにちは。」
思わず頭を下げました。
「山岡くん、変わらないわねえ。あたし、見てもわからないでしょ?」
「そんなこと。」
喫茶店で向かい合ってしゃべっていると...
不思議なものです。
最初は、これが、何度も電話で一緒にオナニーした、あのセクシーな声で喘ぐ、色っぽい人妻?と、ちょっと失望感もあり、呆然としました。
でも、しばらくおしゃべりしていると... すぐに見慣れます。
あの頃の、21才だった若々しい女子大生の印象だけが強烈に脳裏に残っていただけで、意識して目の前の40を過ぎた奥さんを観察してみたら、年齢の割にとても若い、かわいらしい女性だと認めざるを得ません。
地元の同級生の女子や、職場の同僚など、近い年代の女性たちと比べても、こんなに自然に若々しく可憐な印象を与える人は、他に思い当たりませんでした。
「うふふ... なんか、はずかしいね。」
「うん。会うのは20年ぶりぐらいでしょ...? なのに、メールや電話で、もう色々近況報告してるしね。」
「山岡くん、ぜんぜん老けてないわねえ。白髪もないし、太ってないし。」
「あの頃よりは太ったよ。」
「何言ってんの、そのぐらいで。あたしを見なさいって。」
くったくなく笑う里香ちゃん。でも...
からだにフィットしたTシャツの下から盛り上がる大きな乳房、そしてむっちりした太ももは健在ながら、二重あごでもないし、ウェストもまだあります。
何よりも、きれいな肌。
気合いを入れ過ぎて厚化粧したり、華美な服装になったりしないセンスの良さ。
そして、変わらない声。
僕は...
電話で何度も聞いた彼女の言葉を、思い出していました。
...して、あげるのに...
口で、いっぱい、してあげたい...
入れて欲しいの、後ろから...
ああ、もっと、もっとして、もっと...
ふくらんだジーンズの股間に熱がこもり、下着の中が蒸れてくるのがわかりました。
「ねえ、今日はこの後、忙しいの?」
「まさか。里香ちゃんのために開けてあるよ。」
「あらうれしい。あたしも遅くても大丈夫なんだ。うちの親、孫たちにべったりだからね。」
じゃぁ、ホテルへ...
でもそれが、言えません。この年になっても、いざとなると僕はなかなか勇気が出ないのです。あんなに何度もテレフォン・セックスした仲なのに。お姉さんの方から、人妻の側から、言ってくれないかな...。
「今日、車で来たの?」
「ううん。お酒飲みたいかもって思ったから、電車で。」
「あら。あたし、車よ。じゃぁ、ドライブ行っちゃう?」
「あ、それいいな。」
後輩だけど男だからと言い張って僕が勘定を払い、里香ちゃんのご主人のワンボックス・カーで、ショッピング・モールの駐車場を出ました。
「ね、海に行かない? あたし、とっておきの場所知ってるんだ。」
「いいね。」
海水浴シーズンの終わった、故郷の海岸。
夕焼けが波に照り返す中、犬の散歩をする人、砂の上に座るカップル、食べ残しはないかと恐る恐る近づくウミネコ...
それが見えるわずかに小高い空き地に、車を停めました。
「ここ、ステキでしょ。2週間早かったら、海の家が営業してて人が多かったはずよ。」
「いい場所だね。知らなかった。」
「ね、CD、何買ってきたの。」
僕が持ってた新品のタワーレコードの袋を指して、里香ちゃんが聞きました。早めに街に出てついでに立ち寄ったタワレコで、買い物をしていたのです。
「デビッド・T・ウォーカー。ギタリストだよ。」
「ふぅん。相変わらず洋楽好きなのね。それ聞こうよ。」
「歌入ってないよ。」
「いいじゃん。」
夕日が海を輝かせて、湾の向こうの町に沈みかけています。僕と里香ちゃんは目を細めて、1970年代のメロウなギターが流れる中、しばらく押し黙ってました。
「これ、いいね。ぴったり。」
「でしょ。よかった、これにして。」
夕日が眩しいので、背もたれを倒して体を低くすると、里香ちゃんもそれに倣いました。
そして、ふと僕の手を握り、覆いかぶさるように顔を覗きこんできます。
温かくやわらかい唇が、僕の口にふれました。
そのまま里香ちゃんは僕の頭を両腕で抱え、僕は腕を里香ちゃんの背中にまわし、長く、むさぼるようなキス。
はじめてです。
19才の時に、おっぱいを、乳首を愛撫し、この人の指でペニスをしごかれて射精し、最近は電話で淫らなことを言い合ってなんども絶頂を迎えた間柄なのに、ようやく、はじめてのキス。
それも、思春期に思い描いたような、夕暮れの海辺で。
里香ちゃん、はぁはぁと熱く息を弾ませながら、濡れた舌を僕の舌にからめます。
「...はぁ... 山岡くん... したかった? あたしと...」
「...うん...」
「...あのころも? サークルのころも?」
「うん」
「...さっきも?」
「...うん。ずっとしたかった。里香ちゃんと...」
里香ちゃんの右手が僕の股間に伸びて、ジーンズのふくらみをさすりました。
「...おおきくなってるよ、山岡くん... これ... 電話の時、いっつも、おおきくなってたのね。」
「...うん。」
里香ちゃんが、慣れた手つきでボタンを外しファスナーを開けると、盛り上がったトランクスの頂上が染みになっています。
里香ちゃんがあたりを見渡しました。僕もつられて、頭を一瞬上げて外を見まわします。
50メートルぐらい離れたカップルは座ったまま。散歩する人は、もう点のようです。
里香ちゃんが両手でジーンズの腰のあたりをつかんだので、お尻を少し浮かせると、下着ごと、ずるっと膝辺りまで引き下げられました。
20年ぶりに、里香ちゃんと対面した僕のペニス...。
もう、あの時のような童貞ではありません。
「...こんなに... おっきくなって。」
「...里香ちゃんと会えたから。」
「...すっごく、ぬれてるよ、見て、こんなに。」
あの頃と変わらないほっそりした指先が輪を作って、僕のペニスの根元をやさしく握りました。そしてゆっくり、上下します。
あの頃は考えもしなかったけど、今は...
この指...
男性を知り尽くした、指です。何人かは知らないけど、男のイチモツを数えきれないほど何度もさすった、熟練した人妻の指。何度も何度も男性を絶頂に導き、胎内で精液を発射させ、子供をふたりも身ごもった、母親の、指。
その人妻が、二児の母親が、上半身を倒して、僕の股間に顔を近づけました。
やわらかい唇が、ペニスの先端を包み込みます。
亀頭をすっぽりと口の中に入れ、唾液を塗るように、舌がねっとりと周囲をねぶります。
細い指先は、次第に固さを増す幹の根元を軽く締めつけながら、ゆっくりと上下にさすります。
「...里香ちゃん...」
彼女は亀頭を口から解放すると、今度は舌を、ペニスの側面にねっとりと這わせました。
「...どう? ...いい?」
「...うん... 里香ちゃん、よすぎて... 出ちゃいそうだよ...」
「...だめ、まだ。」
深めのリバーブが効いたソフトタッチのギター・ソロが静かに流れる中、夕日はすっかり沈み、薄闇があたりを覆い始めていました。
「...ね、後ろに移る? 後ろの方が広いよ。」
「...うん。」
>4さん、コメントありがとうございます。<(_ _)>
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