ハンバーガーショップやケーキ店、普段私が殆ど足を踏み入れることの無いような場所が友美とのデートスポットになっていた。
私にとっては常に新鮮な気分にさせてくれるとても楽しい時間の連続だ。
或る日、高校時代からの親友を同行して行くとのメールが届き、指定されたカフェに足を運んだ私は、その女性に会って、近年味わうことの無かった程の衝撃を覚えた。
ショートカットの髪と彫りの深い顔立ちは、鼻筋が通った小顔で、歯並びも美しい…。
何よりも抜群のプロポーションに豊満な胸。
非の打ち所が無いとは彼女の為にある言葉。
この街にもこんな美人が棲息していたのかととても直ぐには信じられなくて、狐か狸に、化かされているのではないかと考えた。
友美が紹介してくれた美沙緒は、未婚の家事手伝いという名の無職だとの事。
高校時代からよく一緒に遊び、今でも二人で行動する事が多いと言う。
初対面で遠慮がちな美沙緒に、ケーキを勧め私はコーヒーを飲みながら、二人を見比べていた。
全く違うタイプの二人が親友とは…。
それにしても…美人だ…
私の心の内を見透かしたのか友美が…。
「お父さん、美沙緒に見惚れてる?」
冷や汗が背筋を伝っていた。
「こんな美人に出会ったこと無いからなぁ」
冗談めかして本音を吐くと、美沙緒の顔には赤みが差していた。
「美沙緒もお父さんの娘になれば?
どうせお父さんいないんだし…」
「え?」
美沙緒の母親は再婚、現在は継父と三人家族だが、折り合いが悪い為殆ど会話も無い。
家ではいつも二階の自室に閉じ籠っている。
そんな環境である事を打ち明けてくれた。
「こんな美人の娘なら大歓迎だよ」
「でも美沙緒、用心してね、平気で娘にでも手を出しちゃうタイプのお父さんだから」
私の額から汗が流れ落ちた。
私に抱かれた事は、もう話したのか?
友美の性格なら、さも有りなん。
私には笑って誤魔化す以外手は無かった。
近々三人の都合を合わせて、日帰りで京都へ懐石料理を食べに行く事を約束して、当日は解散した。
夜ベッドに入った私の頭の中に美沙緒の顔が強烈な印象となって焼き付いていた。
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