目覚ましが鳴る。
いつものように夫をベッドに残し、朝食の準備をする。
パンを焼き紅茶をいれる。
いつものように夫をが席に着き新聞を読みながら朝食をとる。
もう何年も続けてきた同じ光景。
ただひとつ変わったのは目の前に立つ妻が自分だけのものではなくなったということ。
夫は気付くはずもなくいつものように出勤していった。
陽子は満足していた。
今までと同じ生活をしながら自分は生まれ変わったのだ。
女として生きて結婚し、今は夫には『女』としてではなく『妻』としてしか見られていなかった。
しかし昨日から陽子は自分の中に『女』を取り戻した。
夫からは見向きもされなくなったが、他の男からは『女』として体を求められる事に幸せを感じていた。
化粧台の前に座り鏡を見つめる。
ほんの少し昨日とは違う陽子が映っていた。
しっかり化粧をし、下着を着替える。
今日はどれにしよう。
服装は・・・水色のロングスカートと白のブラウスにしよう。
下着は透けないように・・・薄い水色を選んだ。
パンティーの布地が少なく、薄手なのでスカートには少し涼しすぎる感じもあったが今朝の天気予報では気温は上がると言っていた。
身支度を終えると陽子は冷蔵庫から食材を取り出すとエコバッグに詰めた。
色々考えた結果、おかずを作って持っていくのではなく作りたてを食べてもらうことにした。
診療所に着くといつも出入りする裏の勝手口ではなく玄関の呼び鈴を押した。
ピンポーン
ほどなくして中から先生が姿を現した。
「先生、お早うございます」
「あぁ、せっかくの休みなのに悪いね」
先生は悪びれた様子で陽子を家の中に導いた。
「先生、今日はおかずを持ってくるんじゃなくて台所を借りて作ろうと思うんですけどいいですか?」
「えっ?休日出勤までしてくれてさらにそんなことまでしてくれるのが、ありがたいな」
先生の柔和な笑顔が戻ってきた。
「じゃあ急いでレセプトやっちゃいますね」
受付のテーブルで早速処理をする。
休んでいた期間があるため、患者数が少なく、2時間程で仕事は終わった。
「先生、終わりました。ちょっと早いんですけどお昼の用意しますね、台所お借りします。」
「あぁ、頼むよ」
テレビを見ていた先生がこちらを向いて言った。
「なんか若い奥さんをもらったみたいだな。よし、自分も手伝おう」
先生は陽子の左に立つと手を洗った。
「じゃあきんぴらごぼうを作るので人参とゴボウを洗って皮を剥いて貰えますか?」
「きんぴらか、私はそれ大好きでね」
笑顔で答える。
人参とゴボウを洗う先生・・・の動きが止まった。
【私の胸元を見つめたまま動かない】
「先生、どうされました?」
「いや、すまない。近くで見ると・・・こう、何で言ったらいいか・・・中井さんの胸が・・・ブラウスの隙間から・・・」
「やだ先生、そんな目で・・・」
「本当にすまない。自分でもいけないと分かってるんだが・・・」
モジモジ言い訳をする先生を可愛いと思った。
「男の人ってみんな胸が好きなんですね」
「いやぁ、嫌いだなんて言う人、いないだろう、いたら治療しなきゃならんね」
笑いながら先生が言う。
「先生が元気になってくれて良かった。お葬式の後なんてそのまま先生も死んじゃうんじゃないかって位げっそりしてて・・・」
「そうか、心配かけたね、でもね、中井さんのおかげでだいぶ癒されてるんだ」
「そうなんですか、私でも役に立てて良かったです」
「中井さんの魅力はね、周りの男を元気にするんだよ」
「元気に・・・ですか」
ふと視線を落とすと先生のスウェットの股間が大きく膨らんでいた。
「なんか・・・苦しいくらい、元気になってるみたい・・・」
「あぁ、苦しいくらいだ。久しぶりに」
「久しぶり・・・なんですか?」
「そうだね、こんなのは本当に久しぶりだ。中井さんのおかげで男に戻れた気分だ」
【その気持ち、わかる・・・】
陽子はタオルで手を拭くとブラウスのボタンをひとつ外した。
「これで・・・戻れますか?」
先生は慌ててタオルで手を拭くと陽子のブラウスのボタンを上から全て外した。
恥ずかしそうにうつむく陽子。
ボタンを外されたブラウスは大きく開かれている。
大きく形のいい胸が苦しそうにブラジャーに押さえ込まれている。
「中井さん、すごく綺麗だ・・・」
先生が陽子の胸元に口づけをする。
陽子は先生の頭をまるで子供をなだめるように撫でる。
「先生、食事はまだいいですよね?」
「あぁ、もちろんだ」
陽子はブラウスを脱ぐとブラジャーのホックに手をまわした。
続く
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