続きです。
「西田様、お久しぶりです。ようこそ。」
SMクラブに着くと店主の源爺が笑顔で迎えてくれた。
「なんだこの店、相変わらず暇そうだな。」
「西田さんのせいでM嬢が皆壊れて辞めてしまいまして。今はS嬢だけで持ちこたえてます。」
「クックック。俺のせいにするなよ!まあー、今夜は部屋借りるぜ!」
「どうぞどうぞ、お手伝いする事がありましたら、何でも申し付け下さいませ。」
俺と源爺が話している間、由香は股間を押さえながら腰をくねらせていた。
「ほおー!こんな綺麗な素人さんを…。可哀相に…!もし壊れてお捨てになるなら当店で引き受けますので…。宜しく。」
「それは楽しみだな!この女俺のデカチンポが気に入った様でな!まあー源爺にも楽しませてやるよ!」
「それはそれは!じゃあスペシャルルームへどうぞ!」
由香は息を荒くし俺の腕を掴み、スペシャルルームへと向かった。
「あっ…!申し訳ありません。父からです。少しお時間下さい。」
由香はスマホの着信に気付き、青い顔をしてスマホを耳にあてた。
「は…はい。えっ…!そ…そんな…!何て事に…!も…申し訳ありません。は…はい。わかりました。どうかお許し下さい。」
由香は目に涙を溜めながら通話を切った。
「申し訳ありません…。会社が…危機的な状況に追い込まれました…。今から緊急役員会が召集されました…。この償いは必ずいたします。どうか…今夜はお許し下さい。」
話の内容はこうだ。
由香は親父はある個人企業の会長で、由香は親父の会社が出資する会社の女社長。
そんな由香を妬む同じ境遇のライバル的な女が、同じく親の力を利用し由香の会社を潰しにかかってきたそうだ。
相手の財力には敵わず、由香の会社は窮地に追い込まれているそうだ。
「ほおー!お前から言い出しておいてトンズラかよ!償いだ!クックック!償いは一年間ここでタダ働きだな!どうだ源爺!」
「それは有り難いですな!一生お願いしたいですな!ヒッヒヒ!」
「わ…わかりました…。約束は必ず守りますので…。申し訳ありません。」
由香は土下座をし泣きながら額を床にこすりつけた。
「まあー、正直言ってお前めんどくさい女だったからな!いい機会だ、もう二度と俺の前に顔出すな!とっとと消えろ!」
「そ…そんな…。有難うございます…。」
由香は泣きながら頭下げ、店を後にした。
「西田様、これをご覧下さい。先程素人さんがお話された事では…?」
源爺はタブレット端末からネットを探り、業界ニュースを開いていた。
「〇〇〇商事〇〇ブランド買収に…だと。俺には関係ねえよ!」
「この男…!黒沢だ!間違いない!」
源爺が声を荒げタブレットを睨みつけた。
「この男、実はSMマニアで、昔の私の店を乗っ取った奴ですよ。金も力もあって私は叩きのめされました…。それから何とかこの店を持てましたがね…。」
源爺は震える声でそう言った。
「あくどい奴か…。こいつにも償って貰うか?それにこの女なんだ!高飛車にも程があるだろ!でもよ、顔も身体も極上じゃあねえか!」
「それはそれは。西田様のお力添えがあれば私の無念も晴らせます。この女もいい女でございますな!さて、いかがしましょう。」
源爺の無念さは鋭い目付きに変わり、二人でプランを練り、早速行動にうつした。
「キキッー!キー!ドーン!ガシャー!」
真っ赤なポルシェの急ブレーキの音と、何かがぶつかる音が深夜の道に響いた。
「な…何してるの!どいてよ!」
真っ白なパーティードレスに身を包んだ女は、俺を睨みつけクラクションを鳴らした。
「てめぇ!警察と救急車呼べ!親父ー!大丈夫かー?」
「私急いでるの!それに飛び出したのは貴方達でしょ!車に傷があったら修理代請求するわよ!」
女は思った通りの高飛車女で、源爺を抱き起こした俺の横を素通りし、ポルシェのボディを見ていた。
「修理代請求させて頂きます。明日弁護士と話をして頂きます!よろしくて!」
女は俺達を見下ろし言葉を吐き捨てた。
「おっと!ひき逃げ現行犯で逮捕だな!」
俺が立ち上がると女は慌てて車に乗り込もうとした。
「おやおや!何だか酒臭いなー!お姉さん、ひょっとして酒気帯かな?」
「ちょっと!汚い手で触らないでよ!私を誰だと思ってるの!私の父は…!ちょっとどこに電話してるの!」
女が車に乗り込む寸前で腕を掴み、スマホから電話をする振りをした。
「警察だよ!酒気帯運転、ひき逃げ犯確保したんだから当然だろ!」
「やめなさいよ!悪いのは貴方達でしょ!」
「はあー!悪い奴を捕まえるのは警察の仕事だろ!どっちが捕まるか楽しみだな!クックック…!」
「け…警察は…!こ…困るって…!お金で解決してあげるわ!いくら欲しいの?」
『クックック!形勢逆転だな!欲しいのはお金じゃなくてー!お前の身体だよ!クックック…!』
「親父、大丈夫か?この女示談にしたいらしいぜ!仕事の補償とかもしてくれるらしいぜ!良かったな親父ー!」
「ウゥッ…!イタタタタ…!とりあえず店に戻ろう…!ウゥッ…!」
源爺はフラフラと立ち上がったが、再び真っ赤なポルシェの前に倒れ込んだ。
「こりゃー重症かもな!補償は高く付きそうだな!とりあえずお前の車で親父を店まで連れていけ!示談交渉はそれからだ!」
「わ…わかったわ!さっさと乗りなさいよ!クソッー!」
悔しがる高飛車女を無視し、俺達は車に乗り込み、女は指示した通り源爺の店に車を走らせた。
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