妻がコールボタンを押し、スマホを耳にあて…約10秒ほどすると話し始めた。
「綾瀬です。(偽名) お電話いただいていたようですので……… はい …今週はちょっと無理だと思います。 ………えぇ どうしても無理です…………はい………そんなこと言われてもどうしようもありません………最短でしたら、月曜10:00なら大丈夫だと………6名ですか? えぇ…………新規さん2名ですね。 大丈夫です…場所はスタジオの方でお願いしたいのですが……… 最近、マンションは住人に怪しまれている気がします……できれば移りたいですね…はい お願いします……昼からですか?…………VIPですね………オプションは………」
妻の姿が見えなくなった………どうやらボストンバックから中味を取り出しているようだ。
時折、妻の声でR4番がどうとか P番がどうとか聞こえる………しばらくすると妻の右手が流し台越しに時折見えた……
リモコンバイブ ....アナルパール....ローション?....貞操帯?....
「…えぇ 大丈夫です………すべて揃ってます……消耗品は今週末にジェイさんところに発注しますので、支払いお願いします……はい………お疲れ様でした」
しばらくして、電話を切った。
紙袋を取り出し、商売道具を……中に入れた……
ボストンバックと紙袋を右手に持ち、スマホを反対の手で操作しながら玄関にむかった……電源を切っているようだ……
うちは裕福ではないがお金にはそれほど困っていないはずだ…このマンションもローンとはいえ結婚後すぐにかった。 それなりの貯蓄と両親からの一部援助もあり返済は周辺の家賃相場より安い………
なのになぜ、妻は………デリヘルのような事をしているんだ……
働く気力が失せた………
妻は直ぐにリビングに戻ってきた。
手には何も持たずに…
また、エコバッグを持ち出かけた……………
それからは何も映らなかった………ただ、無様な男だけが反射して見えた。
しばらく放心状態となり…何度も同じ画像を見返した…
突然画面が切り替わりスタンバイモードになった……バッテリー切れだ………
気がつけば、子供なら寝てしまう時間になっていた。
妻からの着信はない………
重たい足取りで帰路につく………
あの短時間で帰ってこれて、荷物が隠せる場所といえば、玄関前の倉庫しかない…
ローションや貞操帯は………
床下収納…の底 コンクリート部分なのか……
既にどうでも良かった………
気がつくと玄関前にたたずんでいた。
「ただいまぁ……」
妻はいつも通り、リビングでテレビを見ながらケラケラ笑っている。
「おかえり ごはん用意しようか?」
とても気分じゃない………
「やっぱりまだ調子悪いみたい…シャワー浴びて 寝るよ」
妻は心配そうな素振りで、
「大丈夫なの? 明日も家でゆっくりする?」
気がつけば今日は金曜日だった……
休日、一緒にいたい気分にはなれなかった。
「ゴメン 仕事溜まってるから土日も出勤」
「休めばいいのに…私の旦那様 倒れちゃう」
小悪魔顔で可愛いアピールする妻を直視できなかった。
しかし、流石に笑えた………愚かすぎるマヌケな旦那に…
それからも私の憂鬱な日がつずいた
盗撮開始
1日目 金曜日
特に異変はない。
2日目 土曜日
DVDを見ながらヨガやダイエットをしていた…
異常なし
3日目 日曜日
私が家をでて直ぐに倉庫からバックと紙袋を持ってきた。 充電や電池の交換をしていた………
スマホの電源を入れジェイさんへ発注している。
かなりなれていた………
夕方になり紙袋に明日使うであろう道具を入れ、床下収納に隠した。
私の帰宅後、明日は女友達とお茶しに行く予定だと告げた。
私は楽しんできてとしか言えなかった………
そして、月曜がやってきた…
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