私は…私は取り返しのつかない事をした。
もう…戻れないのかもしれない。
私は脱ぎ捨てた服とカバンを持ち、脱衣場へむかった。
テーブルの上には表面が変色した素麺と大皿があった……
大皿には、少し焦げた錦糸卵と不揃いに短冊切りされたキュウリ
そして、ハートや星に型抜きされたハム。
私は妻のいる玄関を振り返った。
「………」
ただ、かける言葉が見つからなかった。
逃げるように風呂に入った。
風呂から出ると妻は着衣を整え、食事を片付けていた。
生ゴミに捨てられた素麺とその薬味がすべてを物語っていた。
妻は、
「びっくりしちゃた…… 色々あるもんね。 いつもお疲れ様 もう寝る?」
明るく振る舞うその姿が痛々しかった。
「もう寝るよ……わ……ご……おやすみ」
何も言えなかった。
顔もまともに見れないままベットに入った。
闇に包まれる感覚が深くなっていく………
ああ、そうか…そういうことか………俺は…妻に刻まれたヤツの記憶を……上書きしたかったんだ………
翌朝、私よりも先に妻が起きていた。
妻の目が腫れていた。
支度を済ませ書斎に向かう。
HDから昨日までの映像をSDカードに取り出した。
昼休みにマンガ喫茶に着くなりPCにSDカードを挿入し、再生した。
13:20 妻が帰宅した。かなり上機嫌に鼻歌を歌っている。
15:40 例のスマホ着信。 翌日、昼前に予約が入ったらしい。 今日の客から指名が入ったとか……アイツだ……
妻は更に喜びを爆発させた。
下着入れを物色している。 独り言を言いながら……聞くに耐えない…
夕方 妻が買い出しに出た………
その時、ヤツからメールのメールだ。
件名 調査報告
添付ファイルあり
簡易報告
指名 綾瀬 XX
勤務先 無し
(但し、サークル的なコミュニティとして運営している模様)
業務内容 完全紹介式
写真愛好家向け個人モデル
代表者 不明
概要 法人登録無し
所属人数等 詳細不明
追跡調査中
本日映像 後日手渡し予定
妻はデリヘル嬢では無かった。
写真にはポージングをする妻が数点写っていた。
妻の他にも数名の女性が写りこんでいる。
グループ撮影をしているようだ。
罪悪感が………昨日の出来事が思い出された。
しかし、あのバイブや卑猥な道具は………まだ、すべてがわかった訳ではない。
PCには私が写っていた。
嬉嬉として妻を凌辱する 獣のような私が………
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