(三日目中編)
二回程自宅で一人自分を慰めて、しばらく自宅で休んでいると、夕方5時半頃に大和さんからメールが来ました。
大和さん「先程会議終わりました。今から事務所に戻ってヘルパーさん達の送迎後に、夕食食べにいきますね。」
私は、コンビニで夕食を済ませ、車内で時間を潰していたところ、7時くらいになって
大和さん「終わりましたー。今からもんじゃ焼き屋に行ってきます。」
とメールが来ました。
大和さんのやってる事業所は高台にあり、隣に小学校はあるのですが周りは林があるだけで民家はなく、コンビニも高台を降りたところにあるくらいで、夜になると人気がなくなるような場所でした。
私はお盆で誰もいない小学校の来訪者用の駐車場に車を停めて(門扉がないので停め放題)、大和さんの車が来るのを待ちました。
10時近くになり、1台のハイエース型のキャンピングカーが近付いてきました。
車は事務所の駐車場に止まり、しばらくして大和さんからの電話がなりました。
私はイヤホンをしてから、大和さんの車から見えないように10メートルくらい離れた場所から様子を伺います。
大和さんは私が近くにいるのを知っているので、私に気を使って駐車場に止まるなり、車内の電気をつけてくれました。
電気のおかげで、10メートル離れていても、妻の様子が十分に分かります。
耳につけたイヤホンには、まず妻の声が入ります。
妻「もんじゃ焼きもおいしいですねー。」
大和さん「いやー、でもまさかYさんお酒飲むとは思わなかったよ(笑)今日車どうするの?(笑)」
妻「いや、今日は大和さんに送ってもらおうと思って(笑)でも、明日事業所休みにしてたなんて聞いてないですよー。」
大和さん「ゴメンゴメン(笑)明日は出勤出来るヘルパーさんが少な過ぎて急遽お盆休みってことにしたんだよー。」
しかしこれは大和さんの嘘です。妻を一週間借りることが決まった段階で、お盆の後半は事務所を休むことにしていたのです。
妻「そうなんですか?そしたら、明日は何しようかなぁ。」
大和さん「もし暇なら山登りでもいかない?」
妻「え?明日ですか?えー(笑)突然すぎますよー(笑)」
大和さん「いや、突然じゃないよ(笑)昨日の答えの続き次第じゃない?(笑)」
妻「やっぱり忘れてなかったか(笑)」
大和さん「当たり前じゃん(笑)」
妻「でも、大和さん私のこと性欲のはけ口に思ってませんかー?(笑)」
大和さん「そんなつもりで昨日はあんな話してないよ!!」
妻「ちょっと(笑)怒るとこじゃないんじゃ(笑)」
大和さん「俺は本気だよ。Yさんのこと、もっと知りたいし、Yさんに俺の気持ちしっかり知ってもらいたい。」
妻「え……」
妻は静かになりました。
大和さん「俺はYさんのこと本気で愛してみたい。もちろん、そこに体の関係もあるかもしれないけど、ただ体の関係求めるだけなら、職場の人には手を出さないよ。だから、男としてYさんと少しの期間でもいいから愛しあいたい。」
妻は小声で一言
「…うん。」
と呟き、またしばらく黙りました。そして5分くらいの沈黙の後、ようやく言葉を発しました。
妻「昨日家に帰ってよく考えてみたんだけど、、、やっぱり私に今の家族は捨てられないよ。」
私は妻の言葉に、嬉しい気持ちが沸き上がる反面、やっぱりダメだったか、という残念な相反する気持ちにもなり複雑でした。
しかし、次に妻が発した言葉は、とうとう、私達夫婦の運命を動かしました。
妻「でもね。大和さんの気持ちも嬉しかったし、もし私が中途半端な気持ちで試して、そうさせたんだったら、すごい申し訳ない気持ちにもなった。だからね……よーく考えた中で、大和さんの気持ちに私が応えられるのは、お盆の、今年だけのこの時間だけなのかな、って思いました。」
大和さん「それって…。」
妻「うん、だから。家族と離れてるこの時期だけ、私は大和さんと女として付き合ってみようかな、と思います。」
とうとうこの時がやってきました。妻が女として変わる時がくる、こう思うだけで、私の心は大きく揺れ動きます。まるで一秒が一時間、一日、一ヶ月のように思える長い長い時間でした。
そんな私をよそに、妻は大和さんに言いました。
妻「ちょっと事務所の中で主人に電話してきます。」
大和さんは「どうぞ。」と言って、妻が車の外に出た後、私との電話を切りました。
私はなるべく事務所から離れて、心を整え、妻からの電話に出ました。
妻「もしもし。」
私「おう。どうした?子供達ならもう寝たよ?」
妻「うん、分かってる。」
私「どうしたんだよ?」
妻「ううん。何でもない。ちょっと声聞きたくてさ。」
私「なんだよ(笑)もう寂しくなったのかよ(笑)大丈夫、来週の日曜には全員で帰るからさ。」
妻「うん。あのさ、私のこと好き?」
私「なんだ突然(笑)当たり前だろ(笑)」
妻「うん、でもその当たり前をもう一回聞きたくてさ。」
私「あ、そうなの?(笑)変なやつだなぁ。大丈夫。今でも、Yしか見えてないよ。」
妻「そっか。ありがとう。私もK(私)のこと好きだよ。」
私「何かに取り憑かれたのか?おかしなやつだなぁ。」
妻「そんなことないよ(笑)じゃあ、そろそろ切るね。」
私「おう。また日曜にな。」
妻「うん。また。」
これが寝取られの葛藤なのか、と私は涙が出そうになるのを堪えて、再度大和さんと電話を繋ぎ妻が事務所から出てくるのを待ちました。
妻は5分くらいして、事務所から出てきて大和さんの車にまた乗ったのが見えたので、私は元の位置に戻りました。
車に乗るなり妻は大きくため息をついた後、意を決したように、左手の薬指から指輪を外しながら
妻「分かった。今から私は大和さんの女になる。」
と言って、外した指輪をバッグの中にあるポーチにしまったのです。
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