私は菅原に抱き締められながら、読まれることなく終わった「夜の遊園地」の続きを思い出す。原稿を見なくとも、大体のストーリーは覚えている。
「。。。激しく深い快感の名残に揺蕩い、虚ろになっている私を残し、アリス倶楽部の男達はいつの間にか姿を消し、変わりに三枝と、見ていた男達が近づいてきます。
『玲子さん、淫靡で素敵なショーだったよ。見ているだけなんて、難しいよ。皆さん、この時を待ってたんだ。』
三枝は手にしていたグラスの酒を口に含むと、私に口移しでそれを飲ませます。一口でカッとするような強いお酒です。
足枷を外し、私を椅子から下ろすと静かな声で私に命じます。
『同じ姿勢で疲れたろう?そこに四つん這いになってごらん。』」
「四つん這いになってごらん。」
同じ言葉を菅原が繰り返す。
催眠術をかけられたかのように、私はその通りに動いてしまう。
「続けて。。。」
菅原に促され、私は彼にお尻を向けたまま、小説の続きを語り始める。
「。。。観客の一人が私のお尻を撫で回します。こちら側も見たかったんだ、さっきは上向きばかりだったから、と言いながら。そして、私は後ろから貫かれます。何度も上りつめた身体は、いとも容易くそれを受け入れてしまいます。。。。」
菅原が、小説と同じように私のお尻に手を這わす。スカートの上から、ひとしきりそこを撫で回すと、スカートの裾から手を差し入れ、ゆっくり下着を下ろしていく。
「玲子さん、濡れてる。。。まだ触れてもいないのに。」
朗読会の最中から、本当は感じていた身体。
ショーツに吸湿シートを敷いてこなかったことを悔やむほど、私はそこを濡らしてしまっている。
次の瞬間、お尻の肉が左右にぐっと広げられ、菅原の舌が、その間に忍びこむ。敏感な突起も、襞の内側も、菅原に舐め回され、私は小説の玲子と完全にシンクロしていく。
「玲子さん。。。いい?」
私は答える変わりに小説の続きを口にする。
「後ろからずんずん突き上げられ、私はまた快楽の崖を上っていきます。来て。。。来て。。。いきたい。。。いきたい。。。あっ。。。!」
菅原は私の声に応えるように、ズブリと私の中に身体を沈めてくる。久しぶりに受け止める男の身体。
あっ。。。!気持ち、いい。。。
(続)
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