カチャッ......。
私の声しか聞こえないはずの空間に、微かな金属音が響く。
?
ふっと顔を上げ、音のした方に目をやる。
!!
観客の1人が、ベルトのバックルを外している。次に起こることが予想され、私は慌てて視線をそらす。
カチャッ...。
カチャ...。
次々、同じような音が続く。
全員、アイマスクをしていることが男達の羞恥心を麻痺させているのか。私は気づかないふりをして、小説を読み続ける。でも、自分でも声が震えていることに気づく。
ハァ...、ハァ...、ハァ...。。。
控えめではあるけれど、男達の、自らを慰める息づかいが聞こえてくる。
何人の男が、それをしているのか。
3人?4人?
金属音はいくつも聞こえた。もしかして、10人全員?
小説の中の玲子は、今、7人の男に犯され、さらに10人の男に視姦されている。それを書いたのは他ならぬ私なのに、現実に複数の男が自分の目の前で自慰に耽っているという状況に、私は混乱し、追いつめられていく。。。
見ないように、見ないように。。。
そう、この気配はきっと小説の玲子を取り囲む空気と同じ。この息づかいは玲子を視姦している男達のもの。彼らは私の世界を一緒に作ってくれている。
リアルな男の欲望に晒されて、小説の中の玲子の喘ぎは、さらに淫らに、激しさを増していく。。。
「あッ。。。!あンッ!!あンッ!!!」
(続)
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