そこまで読み進め、ペットボトルに手を伸ばす。水を口に含みながら、お客さんの反応をうかがう。
アイマスクに隠された個々の表情はうかがいしれない。でも、少なくとも居眠りをしている人は居なさそう。前のめりになって聞き入ってくれる人もいるので、少し安心して続きを読み始める。。。
「 アリスのティーカップ
バスルームを出て、さっき選んだランジェリーを身につけ、驚きました。色だけで選んでしまったのですが、全てが繊細なレースでできていて、上も下も、中身が透けて見えてしまいます。鏡に写すと裸でいるよりいやらしい姿の自分がいます。
慌てて黒のドレスを着ます。
裾の長いものを、と思って選んだドレスでしたが、上半身は襟ぐりが大きくあいていて、胸の谷間が半分見えてしまいます。スカートは腿の上まで深いスリットが入っていました。。。
恥ずかしさもありましたが、今だけ、ここだけ、という気持ちが恥ずかしさを覆い隠してくれます。
私はその衣装に負けないよう、唇に強い紅を引きました。
私は、今だけ、女王さま。
私は、今だけ、女王さま。
自分に言い聞かせて、呼び鈴を鳴らすと、さっきの男が現れました。
「おぉ!艶やかですね、アリスさま。では、早速、アリスのティーカップにご案内致します。こちらへ。」
男の後についていくと、中央にどんと大きなティーカップが備えられた小部屋に案内されました。本当に遊園地にあるようなカップです。ただ真ん中にあるのはハンドルではなく、小さめのテーブル、椅子は2つだけです。
「間もなく『ウサギ』が、お茶をお持ちします。お掛けになってお待ちください。」
そう言って、執事風の男は部屋から下がります。
あ、ここにもトランプのマークの窓がある。一つ、二つ。。。
ぼーっと壁の窓を数えていると、本当に「ウサギ」が現れました。ずいぶんと長身のウサギです。頭の上にウサギの耳をつけた、若い男性。私は思わず吹き出してしまいます。
「ずいぶんと、格好いいウサギさんね。」
「アリスさま。笑わないでください。お茶をお持ちしました。」
ウサギは苦笑いをして、テーブルの上に本物のティーカップを置きます。そして、私の隣に腰かけると「どうぞ、召し上がれ。」と、お茶をすすめます。
言われるままに口をつけると、それは明らかに紅茶テイストのお酒でした。それも、かなり強い。。。甘く、華やかな香りと味。。。
甘いものも、お酒も大好きな私は、うっとりとそれを飲み続けます。
あ、あれ。。。?
酔いとは別の、身体の火照りを感じます。
身体の芯が疼いてくるような、妖しい熱が立ち上ってきます。
それを見透かしたように、ウサギが私の肩に腕を回し、耳元に囁きます。
「アリスさまは、三枝さまのお連れさまですね。うんとおもてなししますので、素敵な表情をたくさん見せてくださいね。」
そのまま私の耳たぶは、ウサギの唇に柔らかく挟まれてしまいます。
アッ...、アッ...!
その反応で、耳が弱いことをすぐに見抜かれ、ウサギは舌で私の耳を責め始めます。舌先で、ゆっくりと私の耳の凹凸を辿り、耳の穴にも舌を這わせ、時折きゅっと耳たぶに甘く歯を立ててきます。
アッ...ン。アッ...、アッ...。。
執拗に耳を責められて身体が崩れそうになったところに、ウサギの逞しい腕が身体に回されます。ウサギの二の腕に動くことを封じ込められ、私は喘ぐことしかできません。
ようやくウサギの唇が、私の耳から唇に下りてきました。耳の愛撫で蕩けはじめてしまった私は、ひとたまりもなくウサギの舌を受け入れてしまいます。
長いキスの間に、ウサギの手が私の胸に伸びてきました。わざとのように、ドレスの上からから、五本の指を大きく広げ、私の胸を揉みしだきます。
ウサギの舌に絡みつきながら、私は直接触って欲しくて、自分から襟元を開いてしまいます。
「アリスさま、はしたないですよ。ご自分から胸をはだけてしまうなんて。どうして欲しいのですか?」
ウサギが意地悪く私に問います。
「だって。。。あっ、アン。こんな風にされたら。つらい。。。ここ、直接触って。」
それでもウサギは服の上からの愛撫を続けます。
「ここじゃわかりませんよ。どうして欲しいのですか?アリスさま、はっきりおっしゃってください。」
私は身体の奥から立ち上るジンジンとした欲望に勝てなくなっていました。
「おっぱい触って。。。!乳首、舐めて、噛んで。。!」
気付くと、大きな声で、そう懇願していました。
「よく言えました。では、アリスさまのお望み通りに。」
ウサギは私のドレスの襟ぐりをぐっと広げ、レースのブラジャーの中に手を差し入れると、乳房を剥き出しにします。きゅっ、きゅっ、と乳首を指で刺激しながら、唇を首筋から鎖骨、乳房へとゆっくり下ろしていきます。
焦らされた私の乳首は自分でも分かるほど、膨らんでいます。
ハァン。。!アン!アン!
ウサギの唇に乳首が吸い込まれると、もう声を抑えることはできません。
レロレロとウサギの舌が私の乳首の周りで踊ります。私はもっと強い刺激を求めて、言ってしまいます。
「ウサギさん。。。噛んで。。もっと、痛くして。少しだけ。。」
ア。。。アン!!!
その言葉を合図に、ウサギの歯が私の乳首に刺さります。
「あ、気持ち、いい。。!
ウサギさん、気持ちいい。。。」
ティーカップの中で、大きな声を出してしまいます。胸への愛撫だけで、こんなに乱れてしまうなんて。。。ウサギの唇は、私の唇と乳首の間を何度も何度も往復し、私は喘ぎ続けます。
何度目かのキスの途中で、ウサギの時計のベルが鳴りました。
「アリスさま。ウサギの時計が次のお部屋にアリスさまをご案内する時を告げました。お名残惜しいですが、アリスの馬車にお連れします。」
ウサギは私の胸元の乱れを直すと、私の手を取り、次の部屋へと私を連れて行きました。」
(続)
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