遅くなってしまった。
前の日から準備していたのに、退社直前に話しかけられた。
それも、よりによってセクハラで有名な・・・会社の慰安旅行で何人もに「一度、お相手してほしい」などと笑いながら言うセクハラ部長に・・・
ネチネチと話す部長は、私の胸元や股間をねっとりとした目で見ながら、終わりの見えない雑談を延々と続けた。
ケンジに呼び出された日の、ケンジに会える直前の体には、普段よりも刺激が強すぎた。
ケンジが使いやすいように下着を着けていない、毛を剃った股間が下衆な視線に反応した。
本能で匂いを嗅ぎ分けるのか、そんな私にセクハラ部長はしつこく話し続けた。
うっかり食事とゆう名のホテルへの誘いにのってしまいそうな私が解放された時には、予定の時間よりも1時間近く遅れていた。
怒られるかもしれない。
不安な気持ちで先を急いだ。
セクハラ部長にしばらく尾行されていた事など、まったく気付かないまま。
早く雑居ビルに着きたかった。
怒られたくない。
嫌われたくなかった。
怒られるだろう。
そう思って、ビルが近づくにつれ、不安になった。
けれど、私を迎え入れたケンジは、今まで見たことがないほど上機嫌だった。
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