『人妻 玲子の白日夢 7 息子の友達
「どうしても?」
「どうしても。玲子さんは賭けに負けたんだ。大人なんだから、ちゃんと約束を守って。脱いで。」
カイが私に命令する。
強い言葉と裏腹に、その声は少し震えてる。
「カイ君。初めては、ちゃんと好きな人としたほうがいいよ。」
ホテルの部屋に入ってからも、私はまだ迷っている。
................................................
息子が二十歳になり、高校時代の友達と初の飲み会をした後、二次会と称してうちに何人か連れて来た。リビングルームで飲み直す中、危ない酔い方をしているのが、カイだった。
「お前らは良いよな、有名大学にさっさと合格してさぁ。俺は、二浪だぜ!二浪。」
「カイ、もう止めとけ。」
周りにたしなめられても、カイはハイボールのグラスを手放さない。散々絡んで、大声を出した挙げ句、「うぇっ!」とうめき声をあげ、トイレに駆け込む。
「あ~あ。やっちゃった。」
「飲みすぎなんだよ。」
「平気そうにしてたけど、やっぱ気にしてたんだなぁ。」
息子達は、そうしゃべっているだけで、誰もカイの様子を見に行こうともしない。
「ちょっと、あんた達、飲むのはいいけど、冷たいんじゃない?もう!」
タオルをもってトイレに行くと、ドアを開けたまま、カイが床にしゃがみこんで、便器に頭を突っ込みそうな勢いで吐いている。
「あらら。大丈夫?なわけないね。。。」
私もカイの横にしゃがんで、背中をさする。
「私もお酒ではよく失敗したからねー。でも、飲み過ぎると翌日辛いから、気をつけてねぇ~。」
「おばさん。。。」
「おばさんじゃない!玲子さん!」
「玲子さん。。。俺、ダメだよなぁ。ユウト達はさぁ、大学受かって、彼女もいて。俺だけだよなぁ、酒も弱いし、カッコわりぃ。。。」
絡み酒の次は、泣き上戸。
ルックスだけで言えば、カイは息子の友達の中で一番のイケメンなのに、自信を失ってる分、弱気な発言が止まらない。
息子達に付き合って、私も少し飲んでいた分、口が滑る。
「そんなにカッコいいのに、何贅沢言ってるの!私が若かったら、カイ君のこと追っかけてるわよ。」
「玲子さん、本当?」
「ホント、ホント。ちよっ、ちょっと、カイ君ダメっ!ふざけないで。」
トイレで、抱きすくめられ、焦りまくる私。
「玲子さん。俺、玲子さんと、したい。。。ユウトんちに遊びにくる度に、玲子さんの身体、見てた。頭の中で、このでっかいお尻、なで回してた。」
全然、褒め言葉になってないと苦笑いしながら、私は答える。
「ハイハイ、ありがと。じゃあ、カイ君が大学合格したら、考えるね。」
所詮は、飲み慣れないお酒を飲んでの戯言。適当に調子を合わせておく。
「ホント?じゃあ玲子さん、俺に賭けて。W 大に合格したら、俺の勝ち。落ちたら玲子さんの勝ち。俺が勝ったら、セックスして。」
はいはい、といいかげんに答えて、引きずるようにカイをリビングに連れて行く。息子と友達は、雑魚寝状態で既に寝息を立てている。隙間にカイを寝かせて、私も寝室に引き上げる。
翌日、目覚めた時には息子の友達は皆、引き上げた後だった。そして、私はカイとの会話をすっかり忘れていた。
その3か月後。。。
「母さん。カイ、W 大受かったんだ。合格祝い、うちでやるからね。」
息子がそう宣言する。
「カイ君、受かったの。良かったわねぇ。じゃあご馳走作らないと。」
「頼むわ。あいつが、うちでやりたいって言うから。この間来たとき、母さんにも迷惑かけたから、お礼を言いたいって。」
「そんな、お礼なんていいのにねぇ。」
息子にそう答えながら、少しだけ胸騒ぎを覚える。この間のやり取りを微かに覚えている。でも、本気な訳はない。知らんぷりしてお祝いだけすれば良い。そう思っていた。。。
ところが、カイは本気だった。
合格祝いの会でうちに来ると、片付けを手伝うと言ってキッチンに入りこみ、3か月前の賭けの話を持ち出してくる。
「玲子さん、俺、あの賭けがあったから受験勉強にラストスパートかけられたんです。今度の日曜日、一緒にホテル、行ってください。」
「カイ君、冗談はやめて。この間はベロンベロンに酔った勢いで心にもないこと言ってたんでしょう?」
息子達に聞こえないよう、声を潜めて答える。
「酔ってはいましたけど、賭けのことは本気です。玲子さん、約束しましたよね?日曜日、○○町のコンビニ、午後2時に待ってます。」
○○町は、隣町のホテル街。
悩んだ末、待ち合わせ場所に向かう。
カイは私の姿を認めると、無言でホテルに向かう。入口で躊躇している私の手を握り、引っ張るように部屋に入る。
「カイ君、どうしても?」
ブラウスのボタンに指をかけながらも、なかなか動こうとしない私にしびれを切らし、カイの手が伸び、全てのボタンが外されていく。。』
(続)
※元投稿はこちら >>