うわっ。。。!
モニター、当選しちゃった。。
場所は。。。えっ!?沖縄!!!?本当に?
美・エターナルスポーツクラブのあるホテルはは全国各所にある。応募の段階では場所はわからず、当選者にのみ知らせる、ということだったが、交通費、宿泊費無料とあったので、どこでも構わないと思っていた。
沖縄。。。沖縄。。。!
頭の中には、たちまち青い海、白い砂浜、オリオンビール、の映像が流れだす。
あ、ダイエットステイなら、ビールはご法度か。
私は、自分にツッコミを入れると、当日までに済ませなければならない仕事や家のことをあれこれ考え、予定を立てる。
それからというもの、仕事と家事を通常比1、5倍のスピードでこなし、家族を無理やり説得し、バタバタと過ごすうちに出発の日を迎える。
ついに、今日だ。。。本当に、そんなうまい話があるの?
今さら、そこが心配になる。
でも、クラブからは確かに航空券が送られている。
「9月1日 羽田 発 13時5分 那覇行き 」
私はそれを何度も確かめ、出発する。
落ち着かない気持ちのままのフライト。
読んでも頭に入ってこない機内誌をめくりながらの3時間。飛行機は、無事、那覇国際空港に着陸する。
沖縄を訪れるのは、数年ぶり。
あちこちに飾られた蘭の花、「めんそ~れ 沖縄」の看板、熱帯魚の泳ぐ水槽、さりげなく漂う甘い香り。。。南国に来たなぁ、と実感し、不安な気持ちも少しやわらぐ。
他の乗客にまじって到着ロビーを出ると、「美・エターナルスポーツクラブ」の表示を持って立っている男が目に入る。服の上からでも、いかにも鍛えてます、ということがわかる体型。
私は、軽く会釈して男に近付き、声をかける。
「こんにちは。兵藤です。」
「兵藤さん、お待ちしておりました。あとお二人、モニターさんがいらっしゃるので、少々お待ちください。」笑顔で男が答える。
良かった。1人じゃないんだ。
ほっと胸を撫で下ろし、男の後ろでしばらく待っていると、ほぼ同時に2人の女性がやって来た。それぞれ、男に名前を名乗っている。
私も挨拶しながら、それとなく彼女達を観察する。
年齢は、1人は明らかに私より若い。40代前半?もう1人は、多分、私と同年代。なるほど40代50代歓迎ね。
それより何より驚いたのは、私を含めて3人とも雰囲気が似ていること。とくに体つき。まだ真夏の暑さの沖縄とあって、1人は半袖のワンピース、もう1人は半袖のTシャツを着ている。袖から出ている腕の、ぽちゃぽちゃっとした太さ。スカートに包まれていても、それと分かるむちっとした腰回り。色白の肌が余計その特徴を際立たせている。
似た者同士の集まりってことね。私も同じように思われてるかも。。。
「お揃いになりましたので、移動しましょう。車にご案内します。クラブのあるホテルはここから1時間ほどかかります。」
3人とも後部座席に収まり、車は出発する。
気まずい雰囲気だったのは、最初だけ。さすが中年女だけあって、打ち解けるのも早い。車がホテルに着くころには、お互いの身長体重、ダイエットの悩み、家族構成まで全て紹介しあっていた。
「大変かもしれないけど、3人いれば心強いわね。励ましあって頑張りましょう。」と手を取り合う。
「すっかり仲良くなられたようですね。さあ、着きました。こちらへ。」
キャー!
車を降りた私は、年甲斐もなく、声をあげそうになる。
目の前に、豪華なホテルのエントランス。ロビーから、外が吹き抜けになっていて、すぐ目の前にキラキラした海が見える。
眼を輝かす私たちに、
「いい景色でしょう?数あるクラブの中でもここはいちばん人気です。皆さんのトレーニングルームからも、この海が見えますよ。最初に当クラブのマネージャーからガイダンスがあります。こちらへどうぞ。」
ロビーを横切り、スポーツクラブのエリアに進む。ホテルの雰囲気を損ねない、お洒落な作りの入口。
「こちらです。」
???
受付のあるフロアも、ソファーのある空間も雰囲気があって素敵なのだが、何かおかしい。。
人が、いない。。?
(続)
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