~セクササイズ 5~ 近藤トレーナー
トゥルル~、トゥルル~。。。
ベッドサイドの内線電話が鳴り、眠けまなこのまま、受話器を取る。
「。。。はい。。」
「兵藤さん?トレーナーの近藤です。午後のトレーニングを始めますので、スタジオAにいらして。あ、寝てたのね。シャワー浴びて、目を覚ましてからでいいわよ。」
近藤トレーナーって、オネエ?
柔らかすぎる言葉遣いに、ドギマギしてしまう。
「あ。。あの、午後は何を。。?」
「午後は、ダンスレッスン。お待ちしてます。」
。。。寝ちゃってたんだ。朝からハードだったからな。
スイミングの後は休憩ということで、部屋に戻ると、睡魔に襲われ、うたた寝していた。
シャワーのお湯を熱めにして、頭から浴びる。
少し意識がはっきりした中で、ふと鏡に映る自分の身体を見る。
すこ~しだけ、身体のラインがすっきりしたかもしれない。
それ以上に肌の調子が全然、違う。ここに来る前より、しっとりと艶めいている気がする。。
男に身体を愛でられると、こんな効果があるのか。あちこち自分で触れてみる。うん、こんなに艶々してなかった。
ダンスのレッスンって、どんなのかしら。。?
少しだけ、期待してしまっている自分がいる。。
スタジオAのノックしてドアを開ける。
アロマの甘い香りが漂い、アラビアをイメージさせるようなBGMが流れている。
「いらっしゃい~。お待ちしてたのよ。兵藤さんね、私、近藤です。トレーナーの中では最年長なの。よろしくね。」
他のトレーナーと同じように、見事に鍛えられた肉体。でも、圧倒的に違うのは、女性的な話し方と、肌の色。他のトレーナーは南国のイメージそのままに、皆真っ黒にに日焼けしていたけれと、近藤トレーナーは顔も手足も白い。
「なぁに?私の顔に何かついてる?」
「いえ。色白でいらっしゃるなぁって。」
「わかる?私、焼かないの。もともとロシア人とのクォーターで色素が薄いし。だからスタジオ担当なの。兵藤さんも、色白ね。私、色白な女性が好きだから、モニターになってもらったの。年齢が上な分、私の意見は通りやすいのよ。」
だから、モニター3人とも白ぽちゃだったのか。。この肌の色のせいで、昔から白ブダとかからかわれることもあったけど、今回ばかりはラッキーだったのかも。。
それにしても。。。
私は近藤トレーナーを直視できない。
最年長といっても、せいぜい30代後半。ロシア人とのクォーターさんらしく、日本人離れした目鼻立ちのイケメンで、どんな服装でも着こなしてしまいそうなスタイル。
オネエを装った言葉遣いも、かえって不思議な魅力になっている。
ただ。。。
トレーナーの下半身を覆っているのが、バレエダンサーのようなタイツなのだ。ぴっちりと身体のラインを浮き彫りにしたその姿、スイミングの峰沢トレーナーより、もっと卑猥で怪しいラインの形。
「今日は、ベリータンスの基礎をレッスンするわね。セクシーで、素敵なダンスよ。まずは、此に着替えてきて。」
渡された衣装は、金のスパンコールで飾られたブラジャーと、アラブのお姫様が着るような透けた布地の腰巻。。。
(続)
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