「今日から3日間は通常営業を停止しております。他のスタッフは夏季休暇中ですので、行き届かない点もあるかと思いますが、ご容赦くださた。その分、この3日間は、モニター様貸し切りで当施設をご利用いただけます。」
だから最初に、人がいない印象だったのか。
それにしても、それにしても、セックスダイエットって。。?
「ここからは、パーソナルトレーニングになりますので、それぞれ担当のトレーナーの指示にしたがってください。基本的には、最終日まで皆さんは別行動です。しっかりご自分の身体と向きあってください。」
えっ?3人一緒のトレーニングじゃ、ないの?あ、そうか。セクササイズか。。。いや、納得している場合じゃない。
「あの!」
「兵藤さん、何でしょう?」
「え~と。本当に、するんでしょか。。。?その。。、せ、セクササイズを。。」
「誓約書にサインされましたよね?あの内容の通りです。さぁ、では移動してください。」
他の二人は、戸惑いの表情を浮かべたまま、トレーナーに促されて部屋を出ていく。
呆然としてる私に、川田トレーナーが声をかける。
「兵藤さん、行きましょう。」
「え。。?ど、どこにですか?」
「トレーニングルームです。そこで、このトレーニングについてもう少し詳しくお話しますから。心配しないで。」
にこっと微笑む口元からのぞく、真っ白い歯。
爽やかな笑顔に、つい私も顔が緩んでしまう。。
「あ、はい。」
えい!ままよ。
とりあえず、話だけでも聞いておこう。
私は川田トレーナーに続いて、部屋を出る。
~セクササイズ 1~ 川田トレーナー
「こちらがパーソナルトレーニングルームです。各部屋にマシンとシャワールームを完備しています。個室なので他の方の目を気にすることなくトレーニングできます。」
運転していた高木トレーナーの言っていた通り、窓から海が一望できる。一部屋ごとにシャワー室もあるなんて、なんて贅沢なんだ。これをもし実費で利用するとしたら。。。
私は、「トレーニングを途中でリタイアした場合は、料金が派生します。」の誓約書を思い出す。
「長旅で汗もかいていらっしゃるでしょう。まず、シャワーを浴びて、こちらに着替えてください。トレーニングで使用するウエアです。」
「これに。。ですか?」
私は、渡された布地の絶対量が、あまりに少ないことに絶句する。
「はい。」
川田トレーナーは、変わらぬ笑顔で爽やかに答える。
私は観念して、そそくさとシャワーを浴び、渡されたウェアを身につける。
ほとんど、紐で構成された下着のようなウェア。上はわずかに乳首を覆うだけの小さな布、下はTバックに秘丘を隠すだけの布地、という作り。
そのまま部屋に出ていく気に、どうしてもなれず、バスタオルで前を隠してトレーナーのところに戻る。
「兵藤さん、タオルを取って、鏡の前に立ちましょう。」
言葉遣いは丁寧だけど、イヤとは言えない口調で命じられる。
恥ずかしくて、しゃがみこみそうになりながら、バスタオルを外す。
きやっ!
いきなり後ろから肩を捕まれて、私は飛び上がりそうになる。トレーナーは私を大きな鏡の前まで、押し出していく。
「しっかりご自分の身体と向き合いましょう。どんな身体になりたくて、モニターに応募されたのですか?」
「に、二の腕の贅肉が、気になってます。」
「ここですね。」
トレーナーは、私の脇の下に手を差し込んで、そこをつまむ。
「お腹を、ひっこめたいです。」
「ここ。」
お腹の肉を、むぎゅっとつかむ。
「太腿を少しでも、細くしたいです。。。」
両腿の間に手を差し入れ、同じく、むにゅっ。。。
「分かりました。短期間で結果を出すのは、それなりにハードなトレーニングが必要です。今日は初回ですから、どのセクササイズが、身体のどの部位に効果があるかを教えます。」
「その前にドリンクを飲んでください。固形の食事を摂らなくても必要な栄養を摂ることができます。また代謝を上げる役目もあります。このドリンクは飲むのに量の制限はありません。」
言われるままに、ドリンクを飲む。
あ、また。。。
飲んだ直後から、身体が火照ってくるのを感じる。
「まず、呼吸のトレーニングです。浅い呼吸では脂肪は燃えません。ゆっくりと深い呼吸をしていきます。目を閉じて、ゆっくり鼻から吸って~、はく。繰り返してください。」
言われた通り目を閉じ、吸って、はく。。。
「鼻呼吸ができるよう、サポートします。」
次の瞬間、私はトレーナーに抱きすくめられ、唇を奪われる。。。
(続)
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