いつの間にか深い眠りに就いていたようだ。(寝てしまったな…確か、純也の家にいて…)自分の状況を整理していた。再び声が聞こえた。「よく眠っていたわよ。寒くない?」顔を上げると純也のお母さんが此方に向けて話し掛けている。パジャマの上にピンクのガウンを羽織っている。顔には潤いも感じ、湯上がりのようだ。それと同時に記憶が戻ってきた。(確か、おばさんの入浴している時に覗いていたな。)そんな事実を思い出すと我に返っていた。ドキッとしながらも、先程の自分が犯した行為を気付いていないか不安になっていた。「あっ、だ、大丈夫です。寒くは…ないかな。」そんな返事がやっとである。「そう、それなら良かった。毛布をもう1枚持ってきたから寒いときは掛けてね。」優しそうな笑顔が僕の心拍数を更に上げていた。「はい、ありがとうございます」そう言うと毛布を一枚受け取った。「今、何時頃ですか?」おばさんは時計を見ると、「もう1時ね。良かったらお風呂に入ったら?温まるから。」どうにも僕の心は穏やかではなかった。「ありがとうございます」そう言うとおばさんは静かに頷いた。(お、おばさん…愛してるよ)そんな率直な想いを心の中で叫んだ)「おばさんも寒いから風邪惹かないで下さい」彼女はにっこりと笑顔を見せると、「圭佑君、ありがとうね。優しいのね。おばさんもそんな圭佑君の気持ち嬉しいな」そう言うと部屋を出て行った。僕のどんな気持ちに対して言ったのだろうか。確かに愛しているが、彼女には話していない…話せない。また、眠れないような考え事を抱えていた。
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