咄嗟のひらめきで、震える右手をズボンの後ろポケットっとに廻した。常にスマホを入れている場所である。写真ではシャッター音がする…すかさず、録画モードに切り替えるとドアの隙間から中の被写体にレンズを向けた。その艶やかな被写体はレンズに意識することない自然な、生活感のある動きを見せていた。作り物ではない自然体の姿である。液晶のモニターには、彼女の一挙手一投足の様子が写し出されていた。彼女の手がジーンズのフロントで忙しく動いている。後ろ姿ではあるが、安易に想像がつく。ボタンを外し、ジッパーを下げた。そして、腰の部分に両手を添えると身を屈めながらジーンズを脱いだ。窮屈な綿質の布から解放されたかのように豊満な臀部が現れた。ブラジャーと同色のすみれ色の光沢のあるショーツが僕を嘲笑うかのように彼女の臀部を隠している。おそらくは、脱衣所の姿見といえか、鏡に自分の姿を写して確認しているのだろう…その身を捻るようなポーズで一点を見つめていた。腰を廻すごとに被写体の写り方が変わっていく。すみれ色の薄布のフロント部分には白い花模様のような刺繍が施されていた。(おばさん…凄く綺麗だよ。艶っぽいし…)。液晶ディスプレイに写る、躍動感のある動画に見入っていた。彼女の言っていた「物事のあるがままの姿」それを忠実に記録していた。
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