千鶴子は勘兵衛に背を向けて着物を脱ぐ。
解いた帯が畳の上に落ち、着物の前合わせが緩む。
着物の下から表れたのは風呂のときとは違う赤い長襦袢。
千鶴子は部屋の隅に立ち尽くす勘兵衛の手を取り布団の上へと引き寄せると、その手で襦袢の帯を掴ませた。
「勘兵衛さんや、どうぞあちきをお好きなようにしておくんなんし...」
花魁言葉を使う千鶴子に勘兵衛はハッとした。
見れば彼女の顔にはほんのりと白粉が塗られ、目元と唇には薄く紅が差されていた。
『お、奥さんや、、いや、千鶴子さん、、これはなんと美しい、、』
「今のあちきは貴方さんのもんでありんす..」
勘兵衛は千鶴子を引き寄せやにわに彼女の唇を奪った。
呼び水の如く互いに熱情こもった接吻。
舌と舌が絡み合い、ときに離れては吸いを繰り返す。
勘兵衛は襦袢の帯を解き、上衿に手を掛け千鶴子の襦袢を剥ぐように脱がす。
白い敷き布の上に真っ赤な襦袢が広がる。
おのずから布団の上に崩れる二人。
仰向けになった千鶴子の上に勘兵衛が折り重なり、それでもなお夢中の接吻は続いた。
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