勘兵衛が聞く。
『“やっぱり”とは、なんぞはじめから知っとったような物言いでねぇか?』
千鶴子は白状するように言った。
「お便所のとき見てしもたんよ。あんな海鼠(ナマコ)のように大っきいもんは初めて見たと」
『そうか、あんとき横で見てたんか、、そんなにデカいかぇ?』
「ええ、お客さんのは7寸(約21センチ)はあるでしょう? うちの人のでも5寸(約15センチ)だってのに...そら大きいわよ」
会話の間もシゴきの手は止めない千鶴子。
時折、だらりとぶら下がるふぐりをふぐり握り、金玉の大きさまで確かめているようだ。
『くぅ、、ほんで、奥さん、、あっしの愚息をどうしようってんだい?』
千鶴子は何も言わずに手を止め立ち上がり、座る勘兵衛の前にくるりと立ちまわった。
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