ある日、これはメッセージなのではないかと感じた。
どうしてこんな思いつきをしたのか自分でもわからない。
けれどそう感じた。
旦那は気づいている。
それは確かなのだろう。
私の秘密を知った。
それは確実だと思う。
けれどそれだけでは説明がつかないほど、何日も連続でクローゼットの中の服の順番が変えられていた。
下着を入れた引き出しの中がグチャグチャに乱されていた。
何かを探している・・・とは考えにくいほど、露骨な印象を受ける乱れ方だった。
だから、そう考えると辻褄が合うように感じた。
これは旦那からのメッセージ・・・
無言の・・・私を責めるというよりも、旦那が気づいている事をアピールする行為。
だから旦那は私を責めない。
何も問わず、何も言わない。
何もせず、今までと同じ生活を続けている。
メール男は知らない事が多かった。
そして色々な事を知っていた。
それは別に不自然には感じなかった。
どこかで私を知ったのだろう。
実際に私を見たことがあるのだろう。
私が不自然だと感じたのは「詳しすぎる部分」にだった。
メール男は旦那について何も聞かない。
なのに、文面に書かれた旦那は本人そのものだった。
帰宅時間や家を出た理由、休日の過ごし方のような誰も知るはずのない情報までが、前提条件として正しく認識された文面のメールに違和感を感じた。
もしかして・・・まさか・・・けど・・・
私は何度も悩み、あるイタズラを実行した。
深夜を待ち、お互いに別々の寝室に入った後、私は下着を入れている引き出しを開けた。
グチャグチャに乱れた下着の上に、カバンのポケットから出した使用済みのコンドームを置く。
そうしてから物音を立てないようにベットに入り、次の日の夕方を待った。
午後7時過ぎ・・・
旦那が帰宅しただろう時間。
私の携帯にメールが着信する。
内容は、昨日は誰の相手をしたのか・・・というものだった。
教えてもいないのに私が確実に行為をしたと確信したうえで、場所や内容を問う言葉が続いた。
色の違う3種類のコンドームを見たのでなければ「まさかあの3人を同時に相手にしたのか」「それともどこか別の男達か」という言葉が出るはずはない。
旦那は気づいている。
全て知っている。
そしてメール男の正体は・・・
私の中で1つの答えが浮かび上がっていく。
後頭部が痺れたようにぼうっとした。
心が乱れていくのを感じた。
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