正上位から騎乗位、後背位や座位と、結局ひととおりの体位を経験して気づけば窓の外がうっすらと明るくなるまで由美子さんとの儀式は続いた。
由美子さんは未使用のコンドームの袋を破り、中に自分の唾を溜め入れていた。
4個のコンドームに唾を入れて縛り籠に入れていた。
『カモフラージュ。フフッ!年寄衆に渡さないとならないからね。あ、「ジャズイ」の事ちゃんと言ってなかったよね?』
「うん。由美子さんといつでも出来るって事は知ってるけど…」
『そうね、いつでもできるけどちゃんとルールがあるの。私他にも「世話人」になってる子がいるんだけど、先に約束した人がいたら断らないとならないの』
「いつ言えばいいの?」
『いつでもいいの。予定がなければその日でも大丈夫だから』
「じゃ今日は?今日の夜は?」
『え??今日??……空いてるけど、やっちゃん大丈夫?』
「うん!今日がいい!今日の夜もしたい!」
『フフッ!わかった!大丈夫よ。じゃ夜8時にウチの「ヤスミ」においで。待ってるから』
「ヤスミ」とは各家にある「ジャズイ」の為の部屋。
農家ばかりだったこの集落は母屋の横に農機具小屋が必ずあり、その小屋の端に一畳の土間と三畳くらいの小上がりが作られていた。
昔は農作業の休憩や昼ご飯の時、汚れた足でそのまま座れて昼寝もできる休憩所を各家に作っていた。
それを「ジャズイ」の場にし、今でも建て替えをする場合は必ず皆「ヤスミ」を作っていた。
「わかった!8時ね!」
『ちゃんと親に言ってから来るのよ?黙って出掛けたら心配するからね?』
集落では儀式が済んだ男子が、夜「ジャズイ」で家を出る事には何も言わなかった。「世話人」を信頼し、一緒に育てるという意識でいたので喜んで送り出すものだった。
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