「もしもしあなた、今日残業で遅くなるから」
彩子は後ろめたく思いながら夫に電話した。帰宅した私服に着替え家を出た時も、まだ雨は降っていた。
アキオと二人で並びソフトクリームを食べた公園。
彩子が公園に着くと、すでにアキオはベンチの端に立っていた。
「アキオくん」
彩子が声を掛けた。半袖のTシャツにミニのデニムスカート、下から上までじっくり見てくるアキオに、
「ごめん、普段着なの。若作りしてるよね」
彩子はミニのデニスカから伸びた太股を恥ずかしげに合わせた。
「そんなことない、似合ってて可愛いス中川さん」
アキオはドキドキしながら答えた。
「えっと、雨止まないし僕の部屋に行きます?」
「えっ!そんな」
いきなり部屋に誘われ彩子は動揺した。アキオもその姿を感じとった。(確めたい、今日は不倫のこと)アキオは思うとスマホを取り出した。
「何?ああっ!」
アキオのスマホを覗き込み彩子は鳥肌が立った。
画像の悪い動画には、乳房を出し黒田社長の股間に顔を埋める自分が映っていた。
「ちょっと歩くけど」
アキオは緊張しながら、後ろから彩子が付いてくるのを信じて振り返らず歩いた。
川を渡り、下町のエリアに入ったすぐの二階建てアパート。傘をたたみアキオの部屋は二階だった。
さして古くもなく、学生が住むような小さい二部屋の一室。
(危ないかも)いくらアキオでも男性と二人で部屋に入ることに彩子は抵抗があった。(でも、撮影されてたなんて)もう一度あの動画を確めなければ。
彩子はアキオの部屋に上がった。
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