アキオは仕事終り、工場の裏手に詰め込まれたガラクタを片付けていた。
「おお、関心だなアキオ」
源さんのが話し掛ける。「いやあちょっと、あんまり汚いスから」アキオの本心は今週末の土曜日対策だった。音を立てずに這い出て窓から事務所を覗くためだった。(ゼッタイまた犯るよな、あの二人)
そして土曜日。
アキオは期待しながら工場の裏手に隠れていた。
今日はガラクタのひとつ、大きな段ボール箱に身を潜めていた。
ガチャリ、、鍵が開く音。
(やっぱ来たよ)
アキオが工場の裏手から這い出ようとした時、空き地にゆっくり入って来る軽自動車のバンの後部が見えた。(ヤバッ社長の車だ)間一髪アキオは段ボール箱の中に隠れた。
空き地は、軽自動車が入るギリギリの幅しかなく、下町の黒田製作所は未だに舗装されていない土で雑草が少し生えていた。
(何やってんだろ、社長)
アキオは思った。
黒田はバンの後部ドアを上げてシャベルを出すと、地面に穴を掘っていた。
直径40センチほどの穴が掘れると、黒田はバンの後部座席に寝転び彩子を待った。
(さあて、あの女どこまで変態になってきたかの)
ガチャリ、
黒田が一度開け、また閉め直した工場のドアが開く音がした。
(来たか)
彩子は悩んだあげく来てしまった。
事務所に黒田はまだ居なかった。
(ああ、どうすれば)
工場の鍵を開け、事務所に入った。
黒田の命令は絶対だった。
彩子は躊躇いながらスカートのホックに手をかけた。
※元投稿はこちら >>