彩子は自転車を止めると箒を持ち出し工場の入口に向かった。
「ごめんね、遅れちゃった」
「いえ、まだ掃き始めたばっかだから」
アキオは言うと彩子を見つめた。
(美人だよなあ中川さん)さっぱりした短めの髪形、最近少し茶髪にしたから年齢よりかなり若く見える。
(もうすぐ40なんて見えないよ、それに)
アキオは掃除をする彩子をチラチラ見ながら思った。
(すげー谷間)
彩子は胸が大きい、まして事務服のブラウスは襟元が大きく開き前屈みになると乳房の谷間が覗いていた。
(あのおっぱい90は超えてるよな)
ブラウスのボタンは引っ張られはち切れそうに張った布地にブラジャーのレースがうっすら映っていた。
「だいたい掃けたわね」
急に彩子に話しかけられアキオは驚き、
「は、はい、掃けておっきいです」
訳の判らないことを口走り彩子は?と顔をきょとんとさせた。
(か、可愛い中川の表情)
狭い作業場は、機械油の匂いが漂い二人は室内も掃除した。
(あーもう少し、もう少し)
機械をセッティングするためしゃがんだアキオは立ったまま前屈みでゴミを集める彩子の太股を見ていた。巻きスカートの裾が上がり、白いナマ足の太股とも少しでパンティが見えそうだった。
「まーた見てるなー」
「痛て!」
アキオは尻を蹴られ振り向いた。
「お、お、お早うございます」
先輩工員の北堀と南山が立っていた。二人は40代、黒田製作所の中堅社員だ。出勤してきた二人に、彩子は振り向き、
「おはようございます」と挨拶した。
「中川さん、アキオがまたパンツ見ようとしてたよ」
「そうそう、いくら中川さんが美人だからって、朝から膨らませてたんじゃなあ」
笑いあう北堀と南山に、アキオは拗ねたように睨んだ。「み、み、見てないスから」
「いーや見ていたぞ」
もう一人の工員の源さんが笑いながら出勤してきた。
源さんはもうすぐ70になるベテラン社員だった。
「なんスか源さんまで」
アキオが言った。
「確かに中川さんは美人でスタイルも絶品じゃからな」源さんの言葉に彩子は顔を赤くした。
賑やかな作業場に、最後に黒田製作所の社長の黒田洋三が出勤してきた。
「おう、皆今日も明るいなあ」
黒田製作所の一日が始まった。
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