いつもと同じように短大に向かった私は電車の中でイジメグループの一人祥子と出会いました。
「まどか」
私は名前を呼ばれても無視を続けていました。
「まどか、ごめん。いっつもみんなでまどかのことをいじめたりしてるけど、本当は私もそんなことしたくないのよ。分かるでしょ?女子って仲間意識が高いから私もみんなと歩調を合わさないといつ私がイジメのターゲットになるかわからなくて怖いのよ。」
いつも私のことを笑っていた祥子とは違う姿に私は少し彼女に気を許してしまいました。
「そ、そうなの?」
「うん、そうだよ。それに私入学してからずっとまどかと友達になりたかったんだもん。保育科一の可愛い女の子がまどかってもっぱらの噂で、それに気を悪くした沙苗がまどかをいじめてみない?って言い出したのよ。」
「そうだったのね。私は別に気にしていないから大丈夫だよ。」
「ほんと?よかったぁ。でも、ごめんね。あんな嫌な思いさせてきて。私はまどかの味方だからね。それは信じて」
祥子の顔はとても嘘をついているような表情には見えなかった。保育科一の可愛さというのは大袈裟だけど、高校時代は色んな人に告白されてきたのは事実でした。大きな目が少し垂れていて、少し分厚めのピンクの唇に黒髪のボブショート。身長が153cmと決して大きくはなかったのですが、胸は服の上からでもその膨らみがはっきりと見てとれるほど盛り上がるFカップ。そして、子どもの頃からずっとしていたバレエのおかげで腰のくびれもしっかりとあり、服を着るときはいつも胸とウエスト、そして大きなヒップが強調されるような服を選んで着ていました。
短大に着くと相変わらず沙苗が私のことを目の敵のようにいじめをしてきました。いつもなら目を伏せて視線を合わさないようにしていたのですが、電車の中で祥子と話をしたこともあり、顔を上げて祥子の目を見ました。
やはり、沙苗のことを気にしてなのか、顔が少し引きつったような表情をしながら私のことを笑っているように感じました。
「あぁ、祥子だけは私のこといじめたいとは心底思ってないんだ」
その安堵からか、私はイジメに対して嫌な思いを持たなくなりました。
そんなことが何日か続くと沙苗の方も私をいじめるのが楽しくなくなってきたのか、日に日に私への風当たりが弱まりいつのまにか私に対してイジメをするようなことがなくなってきました。
そのかわり、イジメグループに入っていた祥子がイジメのターゲットに変わったようでした。
それは私が受けていたイジメと比べ物にならないほど陰湿なものへと変わっていました。祥子の背中には「ヤリマン一回10円おまんこ大好き」と書かれた紙を貼られていたり、スカートの後ろ部分を捲り上げられパンティがもろに見えている状態で歩かされたりと、性的な嫌がらせのイジメが続いていた。
しかも、祥子はその時には全く気づいていないのであった。誰も祥子にそのことを教えないので、祥子が公共の場に出るまでずっとそのような格好のままで過ごすことも多々ありました。
「おい、あの女パンツ丸見えだぞ。」
「やらしい身体してるなぁ」
など男の人の言葉でようやく祥子は自分がどのような格好であるのかを気づかされるといった感じでした。
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