スーパーマーケット・ストーリー3
僕の働くスーパー「ことぶきマート」は
商店街の中に昔からある老舗スーパーマーケット
僕も子供の頃よく母親に連れられて来ている。
社員さんが3人あとは僕達バイトやパートの
おばさんの合計6人位…
シフトは朝から通しの早番と昼から通しの中番
そして夕方からの遅番…これが休みと絡んで
ランダムに組み込まれていた。
先程も言ったが僕の今の仕事は
主にバックヤードからの商品の品出しと
陳列その担当の指導先輩がヨウコさんっていう訳
だから比較的同じシフトになる事が多い
僕より先に働いているユッコちゃんに
それとなく聞いたところヨウコさんの年齢は
たぶん32、3歳くらい…10歳くらい僕より年上かな?
自分の事をあまり話すような人では
無いらしいがどうやら独身のようだ。
ヨウコさんが人妻なら
気にもならなかったのだろが
1人だと知るといやでも気になる
存在になった。
真木よう子さんに似て綺麗で素敵な人が
なんでこんな所で働いてるの?って
聞いてみたいくらいだ。
「よいっしょ!」
気がついたらバックヤードで
品物を整理するヨウコさんの後ろ姿から
僕は目が離せないでいた。
「ほら!バイト君!ボーッとしてないで
手伝ったらどうなの?」
「え!?あ!すいません!」
ヨウコさんの後ろから見た腰のくびれ…
プリっとして上を向いたお尻…
我に戻った僕は慌ててヨウコさんの
手伝いをする為に近寄った。
その時ヨウコさんの手が僕の手に触れた。
「あっ…」ヨウコさんから小さな声が漏れた。
商品で山積みにされたいくつもの棚…
薄暗いバックヤード…そんな所に男と女が
二人きり…しばし沈黙が…「ゴクン…」
ヨウコさんに聴こえるか聴こえないか位の音で
僕の喉が鳴る。
心臓はバクバクと鼓動を速くした
「ほら!バイト君!商品持って商品棚に行くよ」
「あ、は、はい!」
ヨウコさんのその言葉で僕は我に戻り
慌てて彼女の後ろ姿を追いかけた。
前を歩くヨウコさんが来るっと後ろを向いて
「頑張ろねトモくん♪」
「え?あ、はい!」
初めて僕は名前を呼ばれて嬉しかった。
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