ナツキさんは、くだらないメールを送っても、律儀に返信をしてくれました。おかげで、彼女とのメールのフォルダはドンドンと膨れ上がっています。
ところが、本カノである事務長さんとのやり取りは、いつの間にか滞っていました。もう、どっちが本カノなのか分かりません。
『アアァ~…アアァ~…!』と久しぶりに会った事務長さんは、僕にしがみついて悶えていました。僕も彼女のために頑張っていました。
身体の愛撫を続けていた時、彼女の身体の変化に気がつきます。激務続きだった事が原因なのでしょうか、痩せてお腹周りがスッキリしていました。
いや、し過ぎに思えました。お腹を引っ込めると、内臓が見えるんじゃないかと思う程に陥没します。
僕は正常位になり、彼女は『来て~』とばかりに僕を迎え入れてくれます。挿入すると、頭を振り、手はどこに行けばいいのか、うろうろとします。
腰を動かし始めると、更に僕にしがみついて離そうとしません。その手を振りほどき、唇を奪いに行きました。
そこで見えた事務長さんの顔。額のシワが更に深くなり、まぶたもちゃんと開かないくらいに重く落ちていました。初めて、彼女の老いを感じてしまいました。
事が終わり、疲れた僕は少し寝ようとします。逆に彼女は元気でした。セックスで満足したような顔をして、僕に寄り添います。
『今度どこか行くぅ~?』『~日はお休みぃ~?』といろいろ話し掛けて来ます。それに、僕も適当に返事を返していました。
ところが眠気なのか、彼女に言いよられる事が面倒になります。そして、彼女がよく使う語尾を伸ばす言い方に苛立ちも覚えてしまいます。
30歳の年齢の差、事務長とただの会社員、そんな難しい恋愛を続けて来れたのは、彼女のことが大好きだったからです。
ところが、自分の中に違う感情が芽ばえていました。『本当にこの人の事が好きなんだろう?』ということでした。
熟女への憧れ、事務長という付加価値、恋愛下手の堅物への興味、どれを取ってもスケベな男なら性的に興味がわくことばかりです。
もしかしたら、僕もそうだったのかも知れません。
眠りながら、『もう、この人とはダメかも。』と思うのでした。
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