机に向かってパソコンを操作しながら、俺は裏の給湯室に気配を感じていた。
「入ってきた…。ここにいるのが俺独りだと知っているのか?俺の他に誰か居たらとは考えなかったのか?」
知的だと思っていた女の大胆な行動に俺は驚いた。
「それとも俺を信用しているのか… 」
そう考えたが、あまり説得力はなかった。
「飢えているのかな」
それが一番しっくりくる答えに感じた。どうしてやろうか、そう考えていると、ふと不安が沸き上がった。
「満足させられなかったら」
「うまくやれるか」
そんな思いが次々に浮かんできた。だが、いつもどおり
「なんとかなるさ」
の一言が出てくると、徐々に落ち着いていった。
「俺のやりたいことをやればいい」
「ダメもとから始まったんだ」
「どちらかが飽きたらそこで終わり」
「つまり使い捨て」
……
「そうだったな」
俺はその一言だけ言葉にした。
そしてふと気が付けば、給湯室が静かになっていた。
「さて、どうしようかな」
その一言を口にした瞬間、俺は何だか楽しいという気持ちになっていた。
「そうだ、楽しまないといけない。」
と思いながら、立ち上がると履いていたサンダルを革靴に履き替えて、給湯しかに向かって歩きだした。
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