それから数日後
「宮田さんにプールに行こうって誘われたんだけど…」
「プール?!いつ?!」
「夏休み最後の日曜日だって…」
「ふ~ん…ゆっくりしたいなあ」
「でも、佑樹が行く行くって聞かないのよ…」
「宮田さんも夫婦で来るの?」
「ご主人は仕事で来れないみたいよ…」
「そうか…」(あの旦那が来ないのなら…)
正直、私は宮田夫妻に良い印象を持っていなかった
宮田三枝は親子水泳大会で会話した時に感じた、意地の悪そうな印象だけだったが…
亭主の宮田修司に関しては話をした事もないが、根が暗く薄気味悪い印象を持つようになった場面を何度か目撃した事がある。
その一つは、私達がマンションのエレベーターで宮田修司と乗り合わせた時の事…乗り込んだエレベーターの窓に…
後ろに立つ宮田が妻の全身を舐め回すように見る様子や、顔を妻の方へ向け鼻をピクピクと動かして臭いを嗅いでいる様子が映っていた事
もう一つは、私が仕事から帰宅する時‥膝丈のフレアースカートにジャケット姿の妻が丁度マンションに入る所を見掛け…
私も後を追うように入ると…
エレベーター前で待つ宮田の姿があった
男性とエレベーターで二人きりになるのを極力避けている妻は、宮田に挨拶をして階段に向かった
それを見た宮田は妻が階段の入口に消えるのを確認すると、走ってその入口に向かい…しゃがみ込んで顔だけを入口から覗かせて‥階段を見上げていた事
最後は…深夜、私がコンビニに行こうと自転車置き場へ行った時
妻の自転車のグリップを握りサドルに顔を近付けている宮田の後ろ姿を目撃した事
其々、良い方に考えれば‥
最初は‥偶々そう見えただけ…
次は‥物を落としてそれが転がるのを追いかけ、拾い上げ顔を上げた時の状態がそう見えただけ…
最後は‥酔った宮田が自転車を間違えた時を偶々見ただけ…
しかし悪く考えれば…
最初は‥見えたとおりの事…
次は‥階段を昇る妻の、スカートの中を覗き込んでいた…
最後は‥自転車の、妻の手や尻が触れる部分を触ったり臭いを嗅いだり‥もしくは、舐めたりした…
それに加えて‥何を考えているか分からないような顔も相俟って、暗く薄気味悪い印象があった。
そんな事もあり、宮田修司が来るのなら‥宮田に妻の水着姿を見られるのは嫌だったが、来ないなら…
と思い直し行く事に決めた。
この決断も私にとって大きな後悔の一つとなった…
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