その夜、私は無性に妻を抱きたくなった…
本来ならば『疲れているだろう…』と静かに寝かせてやるべきだった
しかし、私は我慢出来なかった…
眠たそうにしている妻に襲い掛かった
最初は驚いた妻も健気に受け入れてくれた
(止めろ!来るな!オレの妻だぞ…オレだけの物だ…)
全てを打ち消したくて、妻だけを見て妻だけを思い抱こうとしたが…頭から離れなかった…
私はあっと言う間に果ててしまった
いくら感じ易い妻であっても、これでは逝く事が出来なかった。
「あっ‥ゴメン…」
「ううん…どうしたの今日は…なんか、いつもと違った…」
「い、いや…別に…早すぎたな…ゴメン…」
「いいってば…わたしはあなたが満足してくれれは、それで満足なの…」
私を思いやりそう言ってくれたんだろうが、その目は逝けない切なさを物語っていた…
私の『病気』は完全に再発してしまった
いや、前よりも重症化してしまっている
いくら消し去っても甦る‥この親子水泳大会‥そして『あの公園のトイレ』での記憶…
この日から約三ヶ月間、私の肉棒では『一度も』妻を逝かせる事が出来ながった。
(こんなはずはない…)と思いながらも、妻を抱いている最中に必ず甦る記憶に異常なほど興奮し…
思わず果ててしまうようになってしまった…
しかし、そんな事でどうにかなる妻ではなく、夫婦円満な生活が続いた。
そんなある日、「ねえ、今日 佑樹のお迎えお願い出来ないかしら…」と妻が言ってきた…
基本的に妻が行っていた息子のスイミングの迎えを私に頼んで来た事に
「ん、いいけど…どうした?具合でも悪いのか?!」
そう聞き返すと
「ううん…そんな事ないけど…」
口ごもる妻に
「じゃ、どうしたの?!」
また聞き返すと妻が重い口を開いた
「う~ん、あのね…あのスイミングクラブの会長って分かるでしょ!?」
「ああ、あの感じ悪い奴だろ…」
「そう!あの人がしつこいの…」
「しつこいって?!」
「うんと…食事に行こうとか…会う度にしつこく誘ってくるの…」
「本当か?!!」
「それとか…」
「何!?何!?」
「ん~~~怒らないで聞いてね…」
「ああ!だから何?」
かなり言いづらそうにする妻を急かすように問いただすと
「旦那で満足してるのか…とか、離婚を考えた事はないのか…とか…酷いのは、一晩100万円でお願い出来ないか…とか…」
「とか何?!」
妻には何の責任もないが、妻の話を聞きあの黒岩の顔を思すと、無性に腹が立って来た私が強い口調で問いただすと
「ォ ォシリ...」
「ん?!聞こえない…」
言いづらそうに小さな声て口ごもる妻にもう一度聞き返すと
「お、お尻の穴は経験あるのか…とか聞いて来たのよ…酷くない?!頭に来る!!!」
穏和な妻が語気を強める様子に‥黒岩に対しての怒りが更に込み上げてきた私だったが…
最初の『怒らないで聞いてね』と言う言葉の裏に『旦那で満足…』という黒岩の言葉を妻は『旦那とのセックスに満足…』と受け取ったと言う事が容易に想像出来た。
それと同時に、『怒らないで…』と言う言葉が私とのセックスに満足していない事も…
更には…偶然だろうが、そんな妻を見て『旦那で満足してるのか…』と聞いて来た黒岩に(見透かされているのか‥)と一瞬だが‥思ってしまった私がいた。
(綾子が『怒らないで聞いてね』って言うのも当然だよな…現に満足させてない訳だし…)
逃れようのない現実に重たい気持ちになる私だったが…
「いい?お迎え‥お願いしていい?」
そんな妻の言葉に
『あ、ああ…いいよ!」
思い出したかのように応えると
「ありがとー!お願いします」
「はいよ!もう綾子は迎えに行かなくていいから…」
「それじゃ、あなたが大変でしょ…」
「大丈夫!大丈夫!」
「ごめんね…ありがとう」
「しっかし、頭に来るなあいつ…文句でも言ってやろうかな…」
「言えないでしょ…それに面倒な事になるの嫌だし…」
私が文句など言えない事など、私の性格を熟知している妻には、お見通しだった…
その日、息子を迎えにスイミングクラブに行くと…
(あ、居た居た…残念でした、綾子は来ないよ…)
迎えに来た保護者達をきょろきょろと見回す黒岩の姿があった
それから毎回、息子の迎えを私が続け二ヶ月が経過する頃になると…いい加減諦めたのか黒岩の姿は見掛けなくなった…
その裏で黒岩の恐ろしい計画が進んでいる事など‥知るよしもない私は…
ほっと胸を撫で下ろしていた。
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