(2)
「あら。今井さん。お早うございます」
孫を乗せた幼稚園のバスを見送って立ち話をしていた女たちが、通り掛かる裕子に気付いて挨拶をした。
「お早うございます」
裕子も、立ち止まって挨拶を返した。どの女も、裕子と同じくらいの年代である。
「涼しくなりましたねぇ。お出掛けですか?」
「はい。ちょっと……」
ブルーのブラウスとグレーのスカートの上に白いロングコートを着て、ハンドバッグを手に持っている裕子。ひとりの女の質問にそれだけ返し、再度会釈をして足早にそこを離れた。
バスを乗り継いで裕子がやって来たのは、隣の市にある駅。トイレの個室に入り、ロングコートをフックに掛け、ハンドバッグから出した風呂敷を拡げる。
ブラウスとスカートを脱ぎ、ブラジャーも外してハンドバッグと一緒に風呂敷に包んだ。パンティは穿いておらず、黒いストッキングをガーターベルトで吊っており、陰毛がボサボサの陰部は丸出しである。
その上に直にロングコートを着て、前のボタンを留める。トイレから出た裕子は、コインロッカーに風呂敷包みを入れ、駅をあとにした。
線路沿いの路地を歩きながら、ひとつずつコートのボタンを外していく裕子。遠くから聞こえる踏切の警鐘を耳にして、立ち止まった。電車の音が近付いてきて、先頭車両が裕子の目に入った。線路に身体を向けた裕子が、ロングコートの前を思い切り開き、自分の裸体を晒す。
見て! 私の裸を……。変態熟女が晒している裸に、気が付いて! ヤギの乳のような垂れ乳と陰毛がボサボサの陰部を恥ずかしげもなく晒し、目を閉じて口を半開きにして裕子は恍惚の表情で佇む。最後尾の車両が去っても、裕子はしばらくそのままの姿で余韻に浸っていた。
「物足りないわ」
悔しそうにそう呟いて、ロングコートを直した裕子。合わせたコートの前を両手で押さえ、また歩き出す。
もっと、女としての悦びが欲しい! 男が、若い綺麗な女の子をオナニーのオカズにする。私も、そんな風に扱われたいの! 私だって、女なのよ!
火照る肉体の疼きを抑えられないまま、路地を歩く裕子。公園の公衆トイレを見付けて、男子のほうに駆け込んだ。個室に入ってコートを脱ぎ、ドアを開けたままオナニーを始める。男の人、入って来ないかしら? 恥ずかしい姿、見られたいの! エッチなこと、したいの!
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