二人の幸せな時間を突き破るように着信音が鳴る。
チリリリーン♪チリリリーン♪
ベルの音。僕のものではない。
宏美さんのものか…家族からかな…家族はやっぱり心配しているのかも…。
そんな事を考えながら、宏美さんは一向に出る気配はないので
「出なくていいの…ご家族の人が宏美さんがいなくなって心配しているのかも…。」
そう言うと、宏美さんは寂しそうに
「違うの…自分たちの食事だけを心配してるのよ…。」
そう言うと、時計を見た。
確かに夕食時だった。
10回ほどコールされて切れた。
しばらくおいてから再び着信音が鳴り響く。
「帰らないで欲しい…。」
学生一人に何か出来る訳でもない。けれどもこのまま帰したくない気持ちもあった。
二回目のコールも10回ほどなって切れた。
宏美さんはベッドから携帯の電源を切った。
「ふふふ…悪い奥さんね‥私って…。」
左手薬指の指輪を外した宏美さんはまたベッドに戻ってきた。
そのまま、二度ほどした後ぐったりしていつの間にか眠ってしまった。
※元投稿はこちら >>