もう会わないと言うと帰って行った旦那さん。
会わせたくないためのウソなのかどうかさえわからない。けれども信じたくないのも本当だった。
もし本当だったら、童貞を卒業、中だしまでした相手が実の母親なのだから。
気がつけば朝。
一眠も出来なかった…。
この日は宏美さんはやってこなかった。
メールだけは何度もきた。
けれども内容も読まずに削除していた。
学校に行き、バイトを励んだ。宏美さんとの事を忘れるように…。
それから気がつけば宏美さんからメールが来ることも会いに来る事もなくなった。
宏美さんを忘れるためなのか自分をごまかすためなのか同級生と付き合い始め、部屋で半同棲のような暮らしをしていた。
気がつけばあれから一年ほど経っていた。
ある日、彼女とスーパーで買い物をしていると、声をかけられた。
「ひさしぶり。」
振り向くと宏美さんだった。
背中には赤ん坊を背負っていた。
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