「だから、そういうとこですよ。そういう物の言い方が不快なんですよ。妻として見て貰ってない。家政婦扱いだとおっしゃってましたよ?
感謝してますか?旦那さんもお子さんも妻として母親として見てますか?何不自由なくといいますけど檻の中の鳥。息苦しくて自由じゃないから家を出たんですよ。そんな事もわからないなんてバカですね。1日居なくてどうでした?ありがたみがわかりましたか?それともそちらの家政婦さんで充分なんですか?」
萎縮して何もいえない宏美さんに代わって言ってやりました。
元に戻って幸せになっても、ここから追い出されて僕の所にきてもどっちでもよかったから不思議と緊張とかは感じずにスラスラと言葉が出てきた。
ドラマで観たような修羅場に初めて遭遇してどこかワクワクしてるのもあった。
「宏美…そうだったのか…。居なくなって確かにありがたみがわかったよ。何もできなくて家政婦さんを急遽頼んだんだ。帰ってきてくれないか…。」
旦那は頭を抱えて宏美さんに話しかける。
「ええ…。わかったわ…。」
宏美さんは僕の方をチラッと見てから立ち上がり旦那さんのそばにいき旦那さんを抱きしめて泣いた…。
宏美さんが泣くと旦那さんも泣いた。子供は呆れたように立ち上がり自分たちの部屋に戻っていく。
旦那さんは家政婦さんにお金を払うと帰っていった。
てっきり殴られたりするのかと思っていた分、少し拍子抜けだった。
これで良かったんだと思いながら僕も帰っていった。
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