「若村秀明です…。学生です。昨日、学校から帰る途中どしゃ降りで走って帰ってきたら住んでいるアパートの下で宏美さんが倒れていました。」
話し始めると、顔色が変わる男性。
構わず話を続ける。
「大変だと救急車を呼ぼうとすると、止めて。少し休めば大丈夫。と言うので、何か事情があるんだろうと僕の部屋に来て貰いました。で、隣に住む女性に事情を話して宏美さんの着替えとかをお任せしました。薬を飲んで寝入った頃に電話が鳴ったので起こさないように僕の判断で勝手に電源を切りました。それでまあ次の日…今日の朝元気にはなったんですけど、身の上話で相談されて、帰りたくないとの事で励ましたりなんだかんだ時間かかってこうやってお連れしたんですけどねぇ。」
一通り嘘も交えながらなるべく筋の通るように話し終えると、
「宏美、お前はこんな初対面の男にそんなに色々話してみっともないだろう。悩みがあるなら直接言えば良かろう。おまえには専業主婦で仕事もさせず良い家に住まわせてたくさんの金だって渡してる。そんなおまえに何が不満あるっていうんだ。」
険しい顔をして宏美さんに怒鳴りつける。
萎縮する宏美さん。
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