宏美さんの手を取り庭から家の中に入ろうとする。
「夜分にすいませんがお邪魔しますね。」
相手の返事も無視して庭に面した大きな窓の所で靴を脱ぎ、宏美さんと家の中に入った。
リビングのテレビや家具、ソファーなどどれもいかにもお金持ちといった風の高価なものばかりにいきなり面くらった。けれど、怯むわけにもいかずにソファーにどかんと座る。宏美さんはその横に座る。
恐らく子供と見られる茶髪の女の子二人といかにもインテリのエリートといった風貌の男性と向かい合わせになるような位置関係。
小綺麗な中年女性は、夫のそばに立ったまま、見届けようとしている。
「君、名前は?私の妻とどういう関係だね?」
先に話を切り出されてしまった。
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