その晩、義姉は田舎料理でもてなしてくれた。
契約社員でいつも心に不安を感じながら味気ないコンビに弁当は身も心も荒んでゆく。
さりとてどうすることもなく日々を悶々と暮らす俺にとって田舎のこうした料理は旨かった。
「ビール呑むでしょう」
冷蔵庫から取り出したビールをコップ注ぐと
「今日はコウちゃんと呑もう」そう言って義姉の満江もコップを取り出して自分で注いだ。
二人で3本ぐらいあけると俺はもうそれで十分だった。
近くの広場の公園から盆おどりの囃子が聞こえてきた。
「そうだ、盆踊りに行かない、しばらく行ってないの」
そう言って二階の部屋に上がっていった。
暫らくすると満江は浴衣姿で降りてきた。
白地に紺の花柄、髪をキリッと丸めよく似合っていた、やはり色白でふくよかな体型は俺には余計に女を感じさせた。
俺にも浴衣を出してきた。
「この浴衣、龍一さんの物だけどいいかしら・・」
俺は普段着付けない浴衣に手を通し慣れない帯を結んで出かけた。
「先に行ってて、おかあさんを部屋に連れて行くから」
俺は先に広場に行ってみた、数十人の人であったが見かけない顔と子供、地元の老人達である。
懐かしい広場のおどりの提灯、二棟の屋台そして秋を思わせる虫の音。
俺は幼少期の頃を思い出していた。
「コウちゃんごめん、遅くなって」
満江は額に汗を流していた、提灯の赤い色の灯で美しく見えた。
俺もこの歳でまだ嫁もいない、こんな女がいたらとふと思った。
囃子に合わせ満江は踊りだした、見事な足運び手の仕草はなかなかである。
どうだろう、休憩も挟んで1時間みっちり踊った、ただ俺は踊りに見とれて過ごしたのだ。
9時を回ったころ竹に吊るされた幾つもの提灯が倒されそれを子供らが我先にと取りに行った、お盆は終わりを告げた。
次第に人々は家路に、義姉と私も家に帰った。
「ああ、暑いわこんなに浴衣びっしょり」
満江のうなじは汗で髪がピッタリ付いていた。
「コウちゃん、お風呂どうする」
「俺は汗掻いてないからいいよ」そう返事して居間にごろ寝した。
「そう、私お風呂に入ってからお布団敷くわね」
そういい残して浴室に向った。
その時俺はテレビをつけながら少ししてトイレに向うふりをして満江の後を追った。
田舎の家の浴室は覗くには簡単である、足を偲ばせて戸の隙間から覗き込んだ。
俺の胸が激しく鼓動した
丁度浴衣を脱ぐ瞬間であった、白い背と丸まるした脂肪の付いた尻
俺は思わず唾を飲み込んだ。
脱衣場から洗い場に入る姿から先は見えないが想像で浮かぶ肉体が俺の肉棒を固くした。
背を流す音がして暫らくすると湯舟から出る音が聞こえてくる。
俺はその場を立ち去った。
風呂から満江が上がるまでビールを飲んでテレビを観ていたが上の空で落ち着けなかった。
20分もすると湯上りの姿で居間に来た。
「呑んでるの、私もいただこかしら」
満江も風呂上りの艶ぽい顔でコップに注ぐと一気に飲み干した。
「いつ帰るの・・」「明日です、お世話になったね」と言葉を返した。
そんな会話をしていて11時を過ぎようとしていた。
満江は「そろそろ布団敷くわね」と言って二階に上がった。
俺も付いて階段を昇った。
真っ白なシーツを架けながら準備する満江を見ながらふとあのDVDのシーンを思い返していた。
満江の腰辺りを見つめていた。
きっと凄い尻だろう・・・胸の乳房も大きいだろうな・・
満江はそんな俺の気持ちを察したかのように無言になった。
「ゆっくり休んで、お休みなさい」
満江は蛍光灯の紐を引いたその時俺は思わず満江の腰に抱きついた。
崩れるように布団に倒れこんだ。
「何するの乱暴はやめて」
その言葉に俺はひるんだ、どうしてこんな事したんだと悔やんだ。
「今夜はおとなしく休んで、お盆だからあの人に悪いわ」
満江は静かに起き上がると階段を降りて行った。
次の朝、俺は義姉に詫びた。
「いいのよ気にしないで、また来てね」
俺は気まずく田舎を後にしたが、それから満江から手紙を貰った。
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