「すみません!思わず言ってしまいました!」
「思わずって。からかうのはやめて下さい。腕を放してもらえますか?」
斉藤の腕を振り払おうと手を振り回した時、カチャッと音がして手錠が掛けられてしまった。
「いやっ、何ですか!何をするんですか?やめて下さい!!斉藤さん!」
驚愕と恐怖と不安といろんなものが入り混じり…泣き叫んでしまう佳子。
ゆっくり手錠を外して、泣きながら震える佳子を抱きしめる斉藤。
何がなんだか分からないまま、抱き締められたが不思議と不安が消えていく感じがした佳子。少しずつ落ち着いてきた。
「いつまで、そうしてるつもりですか?」
冷静になって斉藤に冷たく言う佳子。
「あっ、すみません!」
慌てて離れて謝る斉藤。
「何もしないって言ってたのに!なんてことするんですか!いい加減からかわないで下さい!!」
「ごめんなさい!反省してます!」
素直に謝られると調子が狂う佳子はしぶしぶ言う
「まぁ、分かってくれればいいんですけど…」
「はぁーい、分かりました!では、初プレイしましょうか?ねっ!」
顔を近づけて見たこともない笑顔で笑ったかと思うとウインクした斉藤。
ドキッとして下を向いたのを返事と勘違いされてベッドに運ばれてしまった。全て斉藤のシナリオ通りだった。
この後、佳子は嫌だとか結婚してるとか騒ぐことは間違いない。そこをどう乗り切るかの賭けにでるつもりだった。
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